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回転ずし首位の「スシロー」を展開するFOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)は、2021年に買収した持ち帰りずしの老舗「京樽」の全株式を、SRSホールディングス(SRSHD)へ売却した。F&LCは自ら約64.8億円の第三者割当増資を引き受け、約30億円の債務超過を解消した上で譲渡に踏み切る。25年9月期に営業黒字化を果たした京樽を、なぜ追加資金まで投入して手放すのか。また、買い手となるSRSHDが買収に踏み切った狙いと今後の再建策とは何か。連載『外食バトルロイヤル』の本稿では、中食市場の構造変化と両社の経営戦略から、今回のM&Aの背景を解説する。(ダイヤモンド編集部 大日結貴)
京樽をSRSHDが買収
F&LCは第三者割当増資を実施
FOOD & LIFE COMPANIES(F&LC)は子会社で持ち帰りずしの老舗としてブランド力も高い京樽の全株式を、2026年9月1日付で「和食さと」などを展開するSRSホールディングス(SRSHD)へ売却した。譲渡額は約37億円。F&LCは21年4月に吉野家ホールディングス(HD)から京樽を買収しており、約5年半で手放したことになる。
京樽は、歴史的に幾度も死地を切り抜けてきた。1984年に東証1部(現東証プライム)に上場。97年に会社更生法の適用申請によって上場廃止となったが、2005年にジャスダックへ再上場を果たす。そして吉野家HD傘下となった後、21年にF&LCに買収された。
これまで、名だたる大手外食が京樽を欲しがった理由は、首都圏・駅前の一等地に持つ店舗網に加え、千葉県船橋市に専用の製造工場を持っているからだ。京樽は過去30年余りの間に、計3つの大手外食グループの傘下を渡り歩くことになった。
そんな“人気”の京樽だが、事業存続が危ぶまれるほど業績は低迷していた。23年9月期は5億6000万円、24年9月期も3億1000万円の最終赤字。25年9月期は売上収益235億円、セグメント利益6000万円と、なんとか黒字化にこぎ着けた状況だった。
ただし、低迷期を経た京樽の財務は悪化の一途をたどり、SRSHDへ売却される直前には約107.2億円の負債に加え、約30億円の債務超過に陥っていた。その衰退は、持ち帰りずし業態のパイオニアで、1980年代に日本外食企業のトップに立っていた小僧寿しをほうふつさせる。
そこでF&LCは、京樽の売却に当たって約64.8億円の第三者割当増資を自ら引き受け、京樽の債務超過を解消し借入金を返済。純資産を約34.8億円まで回復させた上で、SRSHDへと譲渡した。
結果として、買い手のSRSHD側に発生するのれんはわずか1億〜2億円程度に抑えられた。いちよし経済研究所でチーフアナリストを務める鮫島誠一郎氏も「SRSHDにとっては非常に良い買い物だ」と評価する。
ただし裏を返せば、F&LCはカネを払ってでも切り離したかったということだ。その背景には何があるのか。探っていくと回転ずし業態だけではなく、食品スーパーなど異業種の変化と、急速に進んだデジタル活用が影響していることが分かってきた。SRSHDが考える収益改善計画とともに、次ページで詳しく解説する。







