外食バトルロイヤルPhoto by Yasuo katatae

ハウス食品グループ本社が、カレーチェーン「CoCo壱番屋」を展開する子会社、壱番屋を売却する方向で検討を始めている。同社は業績堅調で、カレーチェーンの圧倒的王者。成長意欲の高い外食企業なら色めき立つはずだが、売却検討の一報に対する外食業界関係者の視線は意外なほど冷ややかだ。背景には何があるのか。連載『外食バトルロイヤル』の本稿では、壱番屋のバリューアップの難題と成長の限界に迫る。(ダイヤモンド編集部 大日結貴)

ハウス食品が「ココイチ」売却を検討
業界各社の反応は?

 ハウス食品グループは8月31日、カレーチェーン「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋について、「非公開化を含むあらゆる選択肢の検討」を行っていると発表した。同社は「企業価値及び株式価値の向上」に向けた施策としており、その主たる目的は親子上場の解消とみられている。

 2015年に約300億円でハウス食品グループは壱番屋を買収。それ以来、約11年間にわたり親子上場が維持されてきた。しかし、親子上場は支配株主と少数株主間での利益相反リスクなどがあり、コーポレートガバナンス向上が求められる昨今、解消は最重要課題。売却を含め、資本関係を見直すことは、ごく自然な流れだった。

 壱番屋の直近の業績自体は堅調だ。5期連続の増収を達成しているほか、27年2月期の通期業績予想も増収を見込む。カレーチェーンとしては、ライバルの追随を許さない確固たる地位を築いている。

 となれば、成長意欲の高い外食企業が、傘下に収めてカレーチェーン市場を牛耳ろうと色めき立ってもおかしくないが、売却検討の一報を受けても大手外食関係者や、外食企業への投資実績があるPE(プライベート・エクイティ)ファンド関係者の反応は意外なほど冷ややかだ。

 壱番屋の時価総額は9月1日時点で約1800億円。買収総額は2000億円を超えるとみられ、複数の中堅PEファンド関係者は「買収に乗り出すのはPEファンドの中でも、資金力がある外資系大手に限られるだろう」と話す。また、大手外食関係者は、複数業態を展開している大手の外食企業でも「手を出しづらい業態だ」と指摘する。

 なぜ、外食業界関係者にCoCo壱番屋の受けが悪いのか。その要因を次ページで詳しく分析する。