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この1年でTOPIXは31%、日経平均株価は48%上昇し、海外からは8兆円超の資金が流入した。だが、政権発足当初は幅広く買われた政策関連株にも、足元では明暗が生じている。特集『高市政権1年 サナエノミクスの功罪』の本稿では、ゴールドマン・サックス・リサーチの分析をもとに、防衛、AI・半導体、銀行、米国再工業化という主要テーマの値動きを比較することで、政権発足直後と直近半年で何が変わり、投資家はどの政策を評価し、どこで期待を修正したのかを検証し、日銀の金融政策正常化に対する政権の姿勢、政策への期待が企業利益につながる道筋、海外資金の流入や株価評価の切り上がりを確認しながら、長期金利の上昇が示す市場の懸念にも目を向ける。(ゴールドマン・サックス証券 チーフ日本株ストラテジスト ブルース・カーク)
海外資金は8兆円超の流入
株価評価も大きく切り上がる
高市政権が発足して1年がたった。この間、日本株は極めて高いリターンを上げた。高市氏の首相就任後、東証株価指数(TOPIX)は31%、日経平均株価は48%上昇し、他の先進国市場を大きく上回った。だが、この株高のどこまでが、本当に「高市トレード」によるものなのだろうか。
その答えは、以前ほど単純ではなくなっている。政権発足当初、高市政権の政策は日本株全体の追い風になった。しかし、その後は政策テーマごとに株価の明暗が分かれてきた。政権が2年目に入る今、投資家の関心は政策への期待から実行へと移るだろう。とりわけ、財政規律を保ちながら大胆な成長戦略を実現できるかが問われる。
海外投資家の参加は、市場心理を測る重要な物差しだ。この1年で日本株市場に流入した海外資金は、ネットで8兆円を超えた。TOPIXの予想PER(株価収益率)は、政権発足時の約15倍から、今年2月の衆院選で自民党が大勝した後には一時17倍超に上昇した。
近年の日本で、選挙の勝利が同程度のPER上昇につながったのは、2005年の小泉元首相と12年の安倍元首相の例だけである。
TOPIX構成銘柄の1日平均売買代金も、今年夏のピークには25年10月比で97%上昇した。NISA(少額投資非課税制度)を通じた累計買い付け額も、年初来で12.8兆円に達した(8月末時点)。25年10月初め以降、TOPIXは34回、日経平均は36回、史上最高値を更新した。アベノミクス以降でも、ひときわ力強い上昇が持続する局面にある。







