高市政権の27年度予算は「財政規律」を守れるのか?歳出141兆円・国債40兆円では見えない“隠れた景気刺激”Photo:JIJI

高市政権は2027年度予算で、歳出141兆円程度、国債発行額40兆円程度を財政規律の目安としている。しかし、その数字を守れば財政規律が保たれるのか。基金の取り崩しや特別会計を通じた支出は、国債発行額だけでは捉えられない。特集『高市政権1年 サナエノミクスの功罪』の本稿では、完全雇用に近い日本経済で、見かけ上の財政規律の裏に潜む物価高や金利上昇のリスクを検証する。(BNPパリバ証券経済調査本部長兼チーフエコノミスト 河野龍太郎)

予算の数字だけでは見えない財政運営の実態
問われるのは政府支出が経済に与える影響

 高市早苗政権の経済運営を評価する上で、焦点となるのが2027年度予算編成だ。政権は長期金利の上昇や円安の進展を意識し、財政規律を重視する姿勢を強めている。

 歳出規模は141兆円程度、一般会計の国債発行額は40兆円程度を財政規律のメルクマールと考えているようだ。しかし、その数字を守れば、財政規律が順守されていると考えてよいのだろうか。

 重要なのは、予算書に記される国債発行額だけではない。政府全体でどれだけ支出し、それがマクロ経済にどのような影響を及ぼすかである。国債発行を抑えたように見えても、実態は景気刺激的ということは十分にあり得る。

 次ページでは、27年度予算について財政規律、景気刺激の観点から検証する。