具体的には、「木のスプーン」という言葉を入れたネタをテレビ局に提出したところ、「コンプライアンス的にNG」となったそうだ。木のスプーンを公共の電波に乗せてはいけないという法令は存在しない。ということは、法令とは別の規範が働いたということだろう。
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理由も一応説明され、「木のスプーンというのは、伝統工芸品として扱われているものなので、それをネタにすることはできません」との回答を得たそうだ。伝統工芸品を揶揄しているという非難を受けることを嫌ったとみられる。
ただ、同様の苦情を受けたというわけではないらしい。「先回りした配慮」で、木のスプーンという表現を用いないことが「コンプライアンス」なのだという。
こうした例からしてもコンプライアンスは明らかに法令遵守以外の意味を強めており、当事者らも困惑するような濫用をされている。
コンプラを嘲笑う職場で
Z世代の女性が受けた仕打ち
コンプライアンス隆盛の現代に、気になる動きもある。コンプライアンス自体を冷笑するような向きだ。現代では、コンプライアンスを掲げて強めていこうとする動きと、コンプライアンスを冷ややかにみて距離を置こうとする動きの両方がみられる。
事例から入るのがわかりやすいだろうから、こんな話を紹介したい。ある社会人女性の話だ。職場に慣れてきた頃、先輩からこんなセリフを投げかけられたのだという。「お前みたいな『○○(自主規制)な女』は……(以下略)」
女性曰く、最初は何を言われたのかわからず、理解できなかったとのこと。怒りや悲しみよりも困惑が先に来た、と。まさかそういう言葉を職場で聞くとも思わなかったので、混乱してしまって、その場では何も言えなかった。帰宅して、しばらく考えてみる。黙っていることも考えたが、やっぱりそれはダメじゃないかと思って、職場で相談してみたという。「ああいう発言は、なんというか、よくないのではないかと……」。
そして、周囲の反応である。この申し出は上司に伝わり、面談の機会が設けられる。「気持ちはわかるけど、そういうのは本人の出世にも響くから、どうか穏便に……」







