石川氏がDuoに向いていると考えるのは、フリーランスやひとり社長など、外出先で仕事をする機会が多く、自分で仕事道具を選べる人だ。
「移動中に資料を確認したり、メールを処理したり、原稿を書いたりする人なら、大画面を生かせる場面は多い。明確な目的があり、そのためにiPadやパソコンを持ち歩く機会が減るのであれば、高額な出費にも一定の合理性が生まれるはずです」
Appleが7年遅れても
折りたたみに参入した理由とは
折りたたみスマホ市場に、AppleはなぜSamsungから約7年遅れて参入したのか。石川氏は、背景に大きく2つの理由があるとみる。
1つは、Galaxyの進化によって、Appleの主力製品が脅かされ始めたことだ。
「Samsungは8世代にわたって折りたたみスマホを改良してきました。特にここ1~2年で製品としての完成度が上がり、これまでiPhoneのProやPro Maxを選んでいたユーザーを、Galaxyに奪われる可能性も出てきたわけです」
AppleにとってDuoの投入は、Galaxyへの顧客流出を防ぎ、高価格帯スマホ市場での競争力を維持するための一手でもある、というのが石川氏の見方である。
2つ目の理由は、Appleの経営トップが交代したことだ。
9月1日、約15年間CEOを務めたティム・クック氏に代わり、iPhoneやiPad、Macなどのハードウェア開発を長年率いてきたジョン・ターナス氏が新CEOに就任した。
石川氏は、製品開発に精通したターナス氏のCEO就任と、Duoの投入時期が重なった点に注目する。新体制の船出に合わせて、従来のiPhoneにはない新鮮さや驚きを打ち出し、Apple製品への期待感を再び高めようとしたのではないか、という見立てだ。
つまり、Duoは販売台数を伸ばすためだけの製品ではなく、Galaxyへの顧客流出を防ぎながら、新体制のAppleを印象づける目的があったという推察である。そこに、約7年遅れで市場に参入した戦略的な意味があるといえそうだ。
従来のiPhoneにはない新鮮さや驚きを打ち出した 画像提供:石川温







