Photo by Kosuke Imamura
金融庁の制度改正に伴い、代理店が独自の理由で特定の商品を推奨できる「ハ方式」の廃止が決まった。長年の商慣行が崩れ、損害保険業界では代理店の在り方そのものが問われている。特集『保険 激震! 生保・損保・代理店』の#4では、業界のリーディングカンパニーである東京海上日動火災保険の城田宏明社長に、ハ方式廃止への対応、現場との対話の進め方、5年後、10年後を見据えた理想の代理店像について本音を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 藤田章夫、ダイヤモンド編集部 高野 豪)
方向性は維持、運用に「一定の整理」
保険会社と代理店双方で体制整備に取り組む
――比較推奨販売に関するパブリックコメントの結果が公表されました。こちらに対する率直な受け止めは。
全体としては、おおむね想定の範囲内でした。注目していたのは、実務上の考え方がどう整理されるかです。
これまで認められていた代理店側で定めた基準による商品提案から、お客さまの意向に沿った商品を選別・提案するプロセスへの転換が求められます。募集実務や代理店経営にも影響が及びます。
重要なのは、その考え方が代理店の実務に落とし込まれ、安定的に運用できるかどうかです。今回のパブコメの結果は、お客さまの意向に沿った商品提案という方向性を維持しつつ、運用面の実現可能性に一定の整理をつけたものだと受け止めています。
改正の趣旨を実現するには、保険会社と代理店の双方で相応の準備や体制整備、そして継続的な取り組みが不可欠です。
保険会社には代理店の支援はもちろん、どのような商品・サービスを提供して、お客さまの支持と信頼を得るかが、これまで以上に問われます。
今後、日本損害保険協会が実務ガイドラインを公表する予定で、具体的な実務運営はそこで固まっていくはずです。当社もその内容を踏まえ、代理店への情報提供や実務支援にしっかり取り組みます。
ハ方式の廃止は、長年の商慣行に終止符を打つだけではない。保険会社にとっては、商品・サービスの質と代理店への支援力が試される時代の始まりでもある。代理店委託契約の解消を巡って一部で反発が強まり、政治の世界へと波紋が広がる中、業界の盟主である東京海上日動は現場の声にどう向き合うのか。将来を見据えた理想の代理店像を含め、トップの本音に迫る。







