部長・課長の残酷 給料・出世・役職定年#3Photo by Yasuo Katatae

東京海上日動火災保険は、年収でも同業他社を圧倒する業界最大手だ。しかし課長昇進を巡り、社内の不満が高まっている。特集『部長・課長の残酷 給料・出世・役職定年』の#3では、2024年4月の人事制度改定の詳細と、同社の内実に迫った。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

「週刊ダイヤモンド」2023年4月1日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

高年収と安定性で人気の損害保険業界
人気トップは業界盟主・東京海上日動

 新卒を対象とした就職人気ランキングで、トップ3が定席の東京海上日動火災保険。その人気は、自動車保険と火災保険において国内シェアトップ故の安定性と、同業他社と比較して、頭一つ抜きんでる給与水準の高さがあるからだろう。

 そもそも損害保険業界は高給取りだ。東京海上日動と損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険は、30歳前後で年収1000万円を超える。しかも、課長になる前の課長代理の時点である。

 それだけでもうらやましいが、課長に昇進すればさらにもう一段、金額が跳ね上がる。

 次ページでは、各社の詳細な年収水準と、東京海上日動で進んでいる人事制度改革を解説していく。