9月19日に開かれた損害保険協会での協会長会見は、長時間に及んだ。自動車ディーラーでのテリトリー制の問題や出向者の派遣、契約者情報の漏えい問題など損保業界には課題が山積みだからだ。また、損保の問題は生命保険業界にも飛び火し、新たな火種となりつつある。(ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)
テリトリー制や情報漏えい問題で
長時間に及んだ損保協会長会見
Q 9月19日に損害保険協会(東京都千代田区)で損保協会長会見が開かれましたが、長時間にわたったそうですね。
A 今回は、6月28日に損保協会長に就任した、東京海上日動火災保険の城田宏明社長による2回目の会見でした。会見と同時に公表されたのが、政策株と出向者派遣に関する2つのガイドラインの策定に加え、代理店業務品質評価に関する第三者検討会の設置や、代理店手数料ポイント制度の考え方に加盟各社が賛同したことなどです。
テーマが多岐にわたったことや、契約者情報の漏えい問題、自動車ディーラーなどの店舗で特定の損保1社の保険を推奨する「テリトリー制」が、比較推奨販売を歪めているのではないかとの懸念もあって質問が途切れず、会見時間は1時間45分ほどになりました。
Q それは長かったですね! 何も質問がなければ10分ほどで終わることもあるのに……。今回、テリトリー制についてかなり紛糾したようですね。
A テリトリー制や出向にまつわる情報漏えいに関しての質問が多かったですね。ちなみに、出向については、翌20日に行われた生命保険協会の協会長会見でも話題となりました。損保業界ほどではありませんが、生保業界でも出向者による情報漏えいが起こっているのに加え、代理店への便宜供与が問題となっているため、生保協会が金融庁と一緒になって複数回にわたって生保各社に報告を求める事態となっています。
Q 生損保業界ともに課題が山積というわけですね。まず損保のテリトリー制ですが、どのような点がテーマとなったのですか。