military-grade satellite network:
軍事用衛星通信ネットワーク

ウクライナ軍のドローン戦に危険信号、米国依存からの脱却は可能なのか

 ドローン戦を駆使して軍事超大国ロシアに対抗してきたウクライナ軍。アキレス腱は何か?

 軍事用衛星通信ネットワーク(military-grade satellite network)である。これがなければドローン戦そのものが成立しない。

 10月中旬になってウクライナは大パニックに陥った。同国軍が利用する「スターリンク」と「スターシールド」に速度制限(speed cap)がかかり、ドローン運用に重大な支障が出たのだ。スターリンクは米スペースXの衛星通信ネットワークであり、その軍事版がスターシールドだ。

 専門家の間では「米国とウクライナの関係悪化が背景にある」との見方が支配的だ。トランプ米大統領は対ロシア制裁を緩和する一方で、ウクライナに対しロシアのエネルギー関連設備への攻撃をやめるよう要求。これに対してウクライナのゼレンスキー大統領は強く反発していた。

 トランプ氏と歩調を合わせる形で、スペースXを率いる実業家イーロン・マスク氏もウクライナ批判に傾斜。10月下旬にSNSに投稿し、「ウクライナは人を殺すためのドローン攻撃にスターリンクを利用し、規約に違反した」とした上で「サービス停止となればウクライナ軍はすぐに崩壊する」と警告した。

 欧州の政界では「トランプ氏やマスク氏の気まぐれでウクライナの運命が決まる現状が浮き彫りになった」との声がにわかに増えている。米国依存の安全保障体制に疑問符が付いた格好だ。