2002年、2代目エルグランド発売翌日にトヨタ「アルファード」が登場

 さて、初代エルグランドの発売から5年後の2002年5月21日。日産は2代目を発売した。トヨタが初代アルファードを世に送り出したのは同年5月22日。エルグランドの翌日である。いや偶然ですなぁ。偶然は恐ろしい。販売店は大変だろうが、買う側からすれば両方の新型をいっぺんに見比べられるのだから、こんなに便利なことはない。

 両車が盛大に殴り合った翌2003年。エルグランドの国内販売は3万5865台。対するアルファードは実に8万3529台。市場を席巻していたエルグランドが、後発のアルファードにのっけから倍以上も差をつけられてしまったのだ。しかもこの時点でヴェルファイアは出ていない。ヴェルファイアが加わったのは2008年5月。日産が3代目エルグランドを出したのは、それから2年後の2010年8月だ。

日産「新型エルグランド」はアルファードと「全長もホイールベースも同じ」なのに…乗ってわかった“意外な違い”トヨタの初代アルファード(プレスリリースより引用)
日産「新型エルグランド」はアルファードと「全長もホイールベースも同じ」なのに…乗ってわかった“意外な違い”ヴェルファイアは、2代目アルファードの兄弟車として登場した(プレスリリースより引用)

 ここで日産は、初代から続けてきた後輪駆動ベースの設計を、アルファードと同じ前輪駆動ベースに改めている。床を低くして乗り降りを楽にし、重心も下げた。この3代目は発売月から3カ月続けてアルファードの登録台数を上回っている。さらに翌2011年も12カ月のうち7カ月はエルグランドの方が売れている。

 年間ではエルグランド1万7673台、アルファード1万7783台。丸一年売ってわずか110台差。すごいですねー(高田純次調)。年末の締めの数字を見て泣いたでしょうね。

 ただし、ただしですよ。トヨタの帳簿にはもう一行ある。この年のヴェルファイアは何と2万7206台。今とは逆に、当時はアルよりもヴェルの方が売れていたのだ。アル・ヴェル兄弟合わせて4万4989台。日産がアルファードをあと110台のところまで追い詰めた年にも、トヨタはエルグランドの約2.5倍を売っていたのである。

 で、そこからが長かった。エルグランドの年間販売は2015年に7909台、2023年には2255台まで減少してしまった。無論その間も日産は改良を重ねていたのだが、2010年に3代目を買った人がそろそろ次を……と店に行っても、そこにあるのは同じ3代目。もう一度車検を通して出直してもまだ3代目。これでは客は離れますわな。