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【マーケティングとIT】
ソーシャル時代の顧客と、企業はどう向き合うべきか

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第2回】 2013年9月19日
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 企業は、顧客の属性だけでなく、動機づけや購買のシーンとそのシナリオに着目してトリガーを見つけなければならない。そうすることで、多様な顧客ニーズに対してピンポイントでメッセージを届けたり、能動的でタイムリーな提案も可能となる。

 アマゾンや楽天市場などのEコマースサイトで実践されているレコメンデーション機能は、クリックストリームや購買履歴を活用したシナリオに基づく提案型のマーケティングの取り組みといえる。

 これまでの静的な属性情報によって分類された顧客セグメントを中心に据えたマーケティングは岐路に立たされているといえる。とりわけ、EメールやSNSを活用したデジタルマーケティングの世界では新たなマーケティング手法の確立が求められており、多くの企業ではその模索を開始している。

 WebやSNSを活用したマーケティング活動において、顧客個人の行動に関するデータが取得できるようになってきたことに加えて、消費者の情報武装とニーズの多様化がさらに進んでいることがその大きな要因となっている。

デジタルマーケティングは発展途上

 企業は、顧客の属性データだけでなく、取引などの履歴データも蓄積し、分析対象とすることが求められる。また、個別の取引(来店、注文、修理など)だけでなく、それらを組み合わせたシナリオを分析し、顧客の購買行動に関するストーリーを読み解かなければならない。

 このストーリーに基づいて、情報、提案、サポートを的確な顧客に的確なタイミングで提供することが、今後のデジタルマーケティングにおいて有効な取り組みとなるだろう。さらに、属性とシナリオを組み合わせて仮説となるストーリーを設定し、それを実験的に試行し検証することで新たな成功の法則を発見することができる。

 今回紹介したデジタルマーケティング、とりわけソーシャル技術を活用したソーシャル・インフルエンサー・マーケティングは、現時点では未成熟な手法であり、成功例も豊富にあるわけではない。活用される技術も発展の途上にあり、日進月歩の進化を遂げている。

 一方で、多くの企業で実践されてきたマーケティング手法による効果は限界に達しており、マーケティング担当者は新機軸を求めている。企業は、マーケティング領域へのIT適用に関して、これまで以上に敏感にアンテナを張り巡らせることが求められる。

☆―告知―☆

ITR代表取締役 内山悟志 基調講演のご案内

― ITR主催 エグゼクティブフォーラム ―――――――――――
『IT Trend 2014』
~デジタルイノベーションによるビジネス価値の創造~
2014年5月14日(木) 京王プラザホテル(東京・新宿)
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「IT Trend 2014」は、企業経営者やCIO、経営企画部門の意思決定者の方々を対象としたエグゼクティブフォーラムです。

今回は「デジタルイノベーションによるビジネス価値の創造」をテーマに、ITRの内山悟志(代表取締役/プリンシパル・アナリスト)による基調講演、米国コンステレーション・リサーチ社 会長 兼 プリンシパル アナリスト R “レイ”ウォン氏を招聘した特別講演に加え、ITRのアナリストが集結し、全12セッションが予定されています。

■開催概要
日時:2014年5月14日(水)10:00~18:20(開場9:30)
会場:京王プラザホテル コンコードボードルーム(東京・新宿)
主催:株式会社アイ・ティ・アール
定員:600名

■プログラムと参加登録
http://www.itr.co.jp/event/forum140514/index.html
*事前登録制* ご招待ID【DOL002】の入力で無料登録

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内山悟志
[ITR会長/エグゼクティブ・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。2019年2月より現職。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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