ANAホールディングスとエアアジア(マレーシアのLCC)との合弁解消に伴い、エアアジア・ジャパンを引き継ぐ形で生まれた新生LCCのバニラエア。成田空港を拠点とすることには変わりはないが、その中身は、徹底して低価格を追求したエアアジア・ジャパンとは大きく異なる。具体的には、20キログラムまでの手荷物預け入れは無料、手数料を支払えば予約変更が可能になるなど、LCCの常識を打ち破る品質重視を打ち出した。エアアジア・ジャパンの失敗を糧にリベンジを果たすことができるか、バニラ・エア(11月1日発足)の石井知祥社長に意気込みを聞いた。

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――バニラの機体と路線計画について教えてください。

 12月20日から取りあえず1機でスタートします。その次は12月28日に2機目、1月29日に3機目、そして3月に4機目と5機目が入ってきます。

 路線は12月20日から成田―那覇、成田―台北を、1月29日から成田―札幌を、3月から成田―仁川を就航させます。今年度は、この海外2路線、国内2路線です。2014年度内には8機に、2015年9月には10機体制になりますから、さらに路線も増やしていきます。

 

 ――利益計画はどうでしょうか。エアアジア・ジャパンが抱えていた累積損失35億円(2013年3月末時点)を抱えてスタートすることになるんですよね。

 2015年度には単年度黒字という目標を持っています。どこで累積損失を解消するのか、中期的な収支の見通しや、増資も含めた資本政策については、これから株主(ANAホールディングス)と相談して具体的に詰めていきます。

――エアアジア・ジャパンの失敗から何を学びましたか。

 エアアジア方式は、わずか10年でこれだけ規模を拡大させたわけですから、いい面と悪い面の両方を学びました。バニラは成田空港を拠点として国際線に比重を置きながら、プレジャー(観光)・リゾート路線をやっていきます。