以上のアクションが、何をしたことになるかおわかりですか? 要するに、営業プロセスに従って次の3点を行ったことになるのです。

どのような活動を主に行っているのか?
問題は何か?
解決法は何か?

「な~んだ。そんなことか」と思われる方は、基本をバカにしてはなりません。これらは「書く」という行為によって、じっくりと自分の営業活動(バリューチェーン)を客観的に評価しようという試みです。ここで特に重要なのは、課題を明確にすること、つまり「課題の設定」にあります。

営業プロセスの「漏れ」をなくす

 先ほどの図の「アポイント漏れ」について説明しましょう。これについて、マネジャーは部下にどのような指示を出しているのでしょうか。はたしてそれは、アポ取りの成功率を高める方法なのでしょうか。

 まず、アポが取れなかった原因を考えてみましょう。「電話をした時間帯に問題があった」「代表番号に電話したら断られた」「担当者が出てきたけれどそこで断られた」等々、理由はさまざまでしょうが、それによって対応策は変わるので、まずはその理由をしっかりと押さえておくことです。

 次に、「商談したが見積もりに至らず」です。多くの場合、提案が顧客の期待値に見合っていない、あるいは、営業の対応に問題があるのでしょう。特に提案書作成に関しては差別化の重要要素となるので、部下が説得力の高い提案書を作成できないのは、内容、表現方法や文章構成、あるいはプレゼンの仕方など、どこに問題があるかを明確にして、部下に理解させなければなりません。

 最後に、最も漏れの大きい見積もり提出後の「受注漏れ」を見てみましょう。多くの企業が、最終提案書と見積書を同時に提示しているようです。当然、それらは競合と比較されます。提案書の内容、見積書に記載されている金額、条件、その後のフォロー体制など、トータルで評価されますので、ここで受注できなかったということは、それぞれの項目のどこかに問題があるわけです。その当たりを付けることが重要です。最も注目すべきは、提供する製品+サービスに対してお得感が感じられる価格設定になっているかどうかです。絶対価格より価値に見合った価格になっているかどうかが重要なのですね。

 成約に喜ぶあまり見落とされがちですが、プロセスの最後にある「振り返り漏れ」も、上記3つの取り組みと等しく重要です。個々の顧客の属性や特徴を意識した上で、うまく運んだ点や反省すべき点を営業プロセスに従って評価し直すことで、必ずや次の活動につながります。非常に重要なのですが、これができていない企業が非常に多い。

 なぜできないのでしょうか? 意識の問題なのか、分析・評価の仕方を知らないのか、マネジャーとして部下たちを説得する表現力が足りないのかなど、ここでも思いつく限りの課題を書き出すことが重要です。

 自分の部下の育成は、質問者が言うように、マネジャーの主要業務の一つですが、まず自分自身のマネジメントスタイルやバリューチェーンの強化方法をしっかりと理解していないと、本当の意味での部下の育成はできないということです。そして、自らのマネジメントスタイルを理解するということは、どれだけ部下の営業活動を知っているかどうかによるということなのです。

 次回は、質問者のテーマである、部下の育成について考えて行きましょう。