国際指標である北海ブレント原油は、4年2ヵ月ぶりの安値となる77ドル台に下落した。原油需給が緩和する中で、OPEC(石油輸出国機構)は減産に向けた動きを見せないとの見方が根強く、原油価格の下落に歯止めがかからない状況だ。
原油下落の背景には、金融投資家が投資先として、原油を評価しなくなっているという面もありそうだ。金利、為替、株式などの動向が原油売りに向かわせる要因となっている。
まず、金利面では、米国の利上げ観測が強まり、金利の付かないコモディティ(商品)の魅力が相対的に低下し、市況の押し下げ圧力になっている。
また、米国の利上げ観測は、為替相場でドル高をもたらしており、ドル相場と密接な関係にあるコモディティの市況に大きな影響を及ぼしている。為替市場でドル高が進むとドル建てで取引されるコモディティに割高感が生じて、コモディティが売られる。
特に、9月以降は、ドル高が急速に進み、原油相場の大幅下落を促した。リーマンショック前後の大変動期も含めて、ドル安ならば原油高、ドル高ならば原油安という相関関係は強い。
一方、株価と原油との関係は、どうなっているだろうか。