片桐仁(かたぎり・じん)
1973年生まれ、埼玉県出身。コメディアン、俳優。多摩美術大学在学中の1996年に小林賢太郎とお笑いコンビ「ラーメンズ」を結成。独特の世界観で人気を博し、以後舞台を中心にテレビ、ラジオなどさまざまな分野で活躍中。1999年より粘土を用いた造形作家としても活動しており、作品集『粘土道 完全版』(講談社)、『ジンディー・ジョーンズ─感涙の秘宝』(講談社)などを出版。2013年4月には渋谷パルコで個展を開催し1万3000人を動員した。ガンプラ・マニアとしても有名で著書に『ラーメンズ・片桐仁のガンプラ戦士ジンダム』(光文社)がある。最新著書は『おしり2─ラーメンズ片桐仁のおしえて何故ならしりたがりだから』(東京ニュース通信社)。

片桐 そうなんですけど、どんどん褒められたくなっちゃって(笑)。小学生のときは、ぼくから見て天才的に絵のうまい子がいて、その子に勝ちたいとすごく思ってたんです。でも、その子自身は誰にも勝ちたいと思ってないタイプだった。そういう子は意外と絵に固執してなくて、美大には行かないんですよね(笑)。そして大学に行ったらもう、まわりは絵のうまいやつばっかりで。ぼくはゴッホみたいになりたくて美大に行ったはずなのに、どんどん絵を描くのが楽しくなくなってきちゃったんです。

古賀 うん、うん。なんとなくわかります。

片桐 僕の絵だけ売れずに帰ってきたこともあったし、絵ってなんだろう、ぼくはなにが描きたいんだろうと悶々としていました。そんなときに、同じクラスだったいまの相方(ラーメンズ・小林賢太郎)に「ここでお笑いやったら目立つよ。作品を売って名をあげるのと、コントをやって名が売れるのと大差ない。どっちもアートだ」と言われてラーメンズを結成したんです。でも正直言って一番グッときたのは、「お笑いやったらモテるよ」って言葉だったんです!

岸見・古賀 (笑)

片桐 あーもう、ほんと評価のことしか考えてないな自分(笑)。