オープンに議論できる環境
市川 編集会議で企画提出の本数ノルマを課している会社も多いですよね。
三浦岳(みうら・たかし)
大学卒業後、出版社2社を経て2014年6月入社(入社時38歳)。2016年8月より現職。担当書籍は、『0ベース思考』『一流の育て方』『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』『やり抜く力』『最高の子育てベスト55』『SPRINT 最速仕事術』『NEW POWER』等。
三浦 本数を出させながら編集者を鍛えていくという感じですね。
市川 そうやって毎回何本出すといった体育会系的な部分はうちにはないわけです。その意味では、最初から自由な環境のなかで自立してやれる人じゃないと合わないというのはあるのかな。
中野 あと私にとっては、企画が編集部と営業部の現場の会議だけで決まるというのはすごく新鮮で驚きでした。社長や役員の人が決定する出版社も多いですよね。
市川 会社によっては、自分で企画のプレゼンさえできないところもありますよね。自分の企画を編集長が役員の前でプレゼンして、後で合否だけ聞くとか。
横田 編集会議でも営業との会議でもすべて編集担当者が自分で説明しますから、企画が落ちる落ちない、本が売れる売れない、自分が伸びた伸びないなど、すべてがコントロールできるので結果に対する納得性がすごくありますよね。
三浦 編集会議では編集者同士でけっこう企画を揉みますよね。最初は、自分の企画はできるだけ自分の考えた通りに最後まで持って行きたいと身構えるようなところがあったんですけど、慣れると、皆がフラットな立場でいろんな意見を出してくれるのが面白く、こういうつくり方があるんだなと。この歳になってようやく人の話を聞けるようになったという思いです。
(一同爆笑)
横田 もしかするとダイヤモンド社の編集長って強権発動していると思う人がいるかもしれませんが、実際はすごくフラットで「こういう考え方もあるけど、どう思われますか?」みたいな感じですよね。
中野亜海(なかの・あみ)
大学卒業後、アパレルメーカー、出版社3社などを経て2014年4月入社(入社時32歳)。担当書籍は『必要なのはコスメではなくテクニック』『暖かいのにおしゃれになれる』『朝、マネするだけ』『amazon 世界最先端の戦略がわかる』等。
中野 ホントそうですよね。編集長が全然上から目線じゃない。
市川 この話はいろいろな人によくするんですけど、僕がダイヤモンド社に入って最初に参加した編集会議で、入社3年目くらいの一番若手の部員が、編集長が出した企画にガンガン、ダメ出ししてたんですよ(笑)。僕はそれを見たとき、この会社に入ってよかったと思いました。どんな意見も言い合える環境になっていたから。成長できそうだなって思いましたね。
横田 真剣に意見を言われれば、それに対して誰もが感情的にならず、いいなと思えば企画に採り入れて最善の形で世に出そうとする。市川さんがおっしゃった「成熟した大人の編集者」が集まっている感じってありますよね。
中野 そうですね。だからこそ、できる人が来たらスゴく楽しいと思います。
横田 まったくの新人が入る場合はわかりませんが、中途入社するならガチで日本で一番いい書籍編集部だと自信を持って言えます。