「秘書の仕事が、会社の業績にまで関係するのか?」

 そう思う方もいらっしゃるでしょう。その問いに、私は「イエス」と自信をもって答えたいと思います。

 営業職のように、売上数値目標を達成することで、直接的に会社の業績に貢献する人たちがいます。一方、秘書は、裏方ではありますが、組織の明暗を分ける経営層が働きやすい環境を整える、つまり、経営層が成果を出しやすい環境づくりをすることで、間接的に会社の業績に貢献する人といっていいでしょう。

 秘書の働き方しだいで、組織の運命も変わる。

 そのことに、もう一度立ち返って考えてみてもらいたいと思います。そう思うのは、以前、こんなことがあったからです。

30名以上の秘書を抱える
大手企業秘書室長の“驚くべき発言”

 某大手日本企業にて、秘書室長と社長秘書と研修の打ち合わせをしていた時のことです。諸々の確認を終えた後、私が次のように質問しました。

私:「秘書の皆さんのモチベーションは、どのような感じですか?」

秘書室長:「あまり高くないですね…。低いといったほうがいいでしょうか」

私:「なぜ、モチベーションが低くなっていると思われますか?」

秘書室長:「いくつか理由はあると思いますが、事務をしていた女性社員が、役員を補佐することになり、秘書業務が追加されたことでオーバーワーク気味で文句が出ているという感じでしょうか。それから、直属の上司から評価を受けることができないというのも不満のようですね」

私:「事務職の人が秘書職の仕事もするようになった時、職務の見直しはされましたか?」

秘書室長:「していません。事務職の延長が、秘書職だと理解していますので」

私:「秘書の皆さんは、秘書の役割を理解されていますか?」

秘書室長:「そこなんです。まぁ、私のせいなんでしょうけど。でも、私の仕事のメインは、社長の補佐ですから…」