ファミリー層以外にも人気化
オートキャンプ人口の漸増傾向
梅雨明けが遅れて猛暑が到来するなか、安倍政権の強権か迷走か、政治問題も熱くなっている。そんななか、シーズン到来に合わせて日本オートキャンプ協会が『オートキャンプ白書2015』を発表した。同白書は、日本のオートキャンプの現状を分析したもので、1986年から日本オートキャンプ協会が毎年、発表している。
今回は2014年のオートキャンプ事情をまとめたもので、同協会によるとオートキャンプ参加人口は780万人と、2013年に続いて前年を上回った。オートキャンパーの年齢ではファミリー世代が中心となっている現状は変わらないが、20代、50代などファミリー層以外の年齢層の増加が見られ若い世代や子育てを終えた世代の参入が増えており、こうした利用者層の拡がりがオートキャンプ人口を押し上げていると考えられるとしている。
また、「子どもの頃に家族とキャンプをした経験があるか」という質問に「はい」と答えた人は、20代未満や20代の若者が多く、若い人ほど子どもの頃にオートキャンプを体験した人の割合が多くなっている。このことは、家族でのオートキャンプが確実に浸透していることを示している。
さらに、訪日観光客が増える中、オートキャンプ場でも訪日キャンパーが増えているとのデータが出ているほか、アウトドアショップなどでも外国人が増えているなど、オートキャンプにも訪日外国人の影響が見え始めている。
以上は、日本オートキャンプ協会の『オートキャンプ白書2015』の概括記述と発表会見を、そのまま取り上げたものだ。
これだけを見ると、日本のオートキャンプは2年連続で増えているし、日本でオートキャンプを楽しむ外国人が増えていることがわかる。ただし、日本のオートキャンプの実情については、これまでの流れを踏まえて、現状とのギャップを見ていく必要がある。
筆者は、新聞社の記者だった1970年代前半、当時のデスクから「オートキャンプの取材をしてこい」という指令を受けて、日本オートキャンプ協会に赴き、「オートキャンプって何ですか?」という初歩的な質問から入った経験がある。
実は、門前の小僧ではないが、ここから家族ぐるみでオートキャンプにのめり込んだ時期があるのだ。
オートキャンプとは、「マイカーを使ったレジャーとしてのキャンプ」であった。日本の高度成長期(1965年~)に連動するマイカーの普及や道路の整備で、クルマによる移動が容易になり、週休二日制の実施などでレジャーを楽しむ自由時間が増え始めた時代背景のなかで、欧米スタイルのオートキャンプを日本国内で実践するケースが見られるようになってきたのが、1960年代後半である。