こんなエピソードがあります。これは、当時の上司がよく言っていた言葉です。

「人脈をつくりたいと思ったら、外に目を向けるのはなくて、内に目を向けること。多くの人は、外にばかり目を向けて、いろいろな人に会いに出かけているようだね。そうではなくて、自分自身に目を向けてごらん。会ってもらいたいと思われる人に、自分がなる。そこに、時間とエネルギーを費やしなさい」

 私にとって、一流の人たちの「人脈のつくり方」の極意を初めて知った瞬間でした。

「会いたい」と思われる人になる。言い換えると、周囲から「気になる存在」になればいいということです。

 これは、「自分がこの人に会いたい」という相手向きベクトルから、「相手からあなたに会いたいと思ってもらえる」という自分向きベクトルに変えなければならないということを示唆しています。

 それでは、周囲から「気になる存在」になるためには、どうすればいいのでしょうか?

 まず、内に目を向け、自分の「個」の部分に触れる時間を持ってみることです。誰にでも必ず、キラリと光るものがあります。他の人より多くの時間を費やしていること、周りの人よりも長く没頭して取り組んでいることなど、そこに自分を輝かせるヒントが隠されているはずです。

 自分から「相手に会いたい」とお願いする立場から、「あなたに会いたい」と言われる立場になる。この発想の転換により、これから出会っていく人、つきあっていく人が大きく変わっていくことでしょう。

信頼関係を急いでつくろうとすると
逆効果になりかねない

 さて、次に、もうひとつ重要な「人脈づくり」の極意についてご紹介しましょう。

 それは、「信頼関係を急いでつくらない」というものです。

 「あの人といい関係をつくり、早くコラボレーションを実現させたい」
 「あの人はキーパーソンだから、いろいろと話しを聞いてみたい」
 「あの人は重鎮だから、いろいろと相談にのってもらいたい」

 これらはどれも、自分本位の考え方であり、自分の都合によって相手を引き寄せようとしているのがわかります。