個人宅などを使って、旅行者に宿泊場所を提供する民泊ビジネス。火付け役となった米国のマッチングサービス、エアビーアンドビー(Airbnb)に対し、競合サービスを準備する不動産情報サービス大手、ネクストの井上高志社長にその勝算を聞いた。
──日本最大級の物件情報サイト「ホームズ(HOME'S)」の運営会社として、日本中の空き部屋などの情報を常に把握しています。
私どものHOME'Sのサイトには、全国の742万件の物件情報が掲載されています。そのうちどのくらいが民泊事業に適用できる物件か正確には分かりませんが、大ざっぱに言えば、100万件ほどの規模を目指せると思っています。私たちが掲載している物件のオーナーは、賃貸の借り手を探したり、物件を売却したりするまでの期間、誰も使っていない空き部屋を収益化できるようになります。
政府でも議論が進んでいる法的な問題がクリアになれば、すぐに事業を開始できるように準備しています。数百万件の物件情報を管理するシステムがあるのですが、物件ごとに民泊利用の可否をチェックする項目を付け加えれば、新しいサービスサイトやアプリを直ちに作れます。もちろん英語に対応することもできます。
地域ごとの物件の収益性については、まだ知見はありません。ただし新宿などターミナル駅付近に泊まって24時間遊びたい旅行者もいれば、羽田空港から程近い一軒家に、一家5人で安価に滞在したいケースもあるでしょう。住宅地として借り手が少ない地域でも、宿泊施設としては稼げる「逆張り」のニーズは面白いですね。
──Airbnbはグローバルなサービスとして訪日外国人の需要を取り込んでいます。対抗策は。