相手の置かれている状況を
よく考える

 さきほどの例であれば、次のようにするとよい。

■今年は営業目標を達成できなかったが、その原因は2つある
 ・既存顧客への訪問回数は目標程度であったが、提案数が目標を下回った
 ・新規顧客へはそもそも訪問回数が目標を下回った
従って打ち手は2つである
 ・既存顧客への提案回数を今年より倍増する
 ・新機顧客への訪問回数を今年より倍増する
これにより、来年こそは営業目標を達成する

 まずは、なぜ今年は目標を達成できなかったか、その原因を分析して反省し、その説明を最初に加える。そして、その原因に対しての解決策を説明する。

 だからこそ、来年は営業目標を達成できるという論理を説明する。アンサーファーストとは真逆の伝え方だ。

 このような箇条書きであれば、上司は「今年はダメだったが、しっかり原因もわかっているし、来年は大丈夫そうだな」と、その部下についての信頼を増し、サポートもしてくれるかもしれない。

 このように、“常にアンサーファーストにするべき”というのはステレオタイプだ。最初に何を伝えるかは、相手や自分の置かれているコンテキスト次第だ。

 一義的な成功パターンを求めると、書き手本位の箇条書きになり、伝わらない。箇条書きは相手に伝えるためにつくるのだから、それでは本末転倒なのだ。