朝日新聞出版
定価:780円(税込)
子どもからの性に関する質問に、親は戸惑ったり、うまく答えられなかったりすることはよくあります。『AERA with Kids 夏号』(朝日新聞出版)では、性に関する子どもの疑問にどう大人が答えるべきか、アドバイスしています。
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産婦人科医の高橋幸子先生は、照れやはずかしさからごまかすのはNG、と言います。
「ごまかされると、性のことは聞いてはいけないことになってしまいます。どーんと構えて、『いつでも聞いていいよ』、という雰囲気をつくっておきたいですね」
また、長年子どもの健康や体の問題に取り組んでいる帝京短期大学の宍戸洲美先生はこうアドバイス。
「うまく答えられそうもないな、と思ったら、『きちんと調べてからあとで説明するね』と、一度離れて、自分が伝えやすい回答を探しましょう。親が向きあう姿勢は子どもに伝わるし、あとできちんと対応すれば子どもも納得します」
お二人が考える、子どもの性の質問に対する模範解答は以下の通りです。
<生理ってどうして女の子だけにあるの?>
<将来大人になって、赤ちゃんを産めるように準備しているんだよ>
「『赤ちゃんは女性のおなかで育つから、女性に生理があるの』とダイレクトに話していいと思います。『赤ちゃんが育つ子宮は毎月、体が自分でお掃除をする。そのとき、内側の膜が落ちるのが生理なの』としくみを説明するのもわかりやすいですね」(高橋先生)
「『生理のおかげで、◯◯ちゃんも生まれたのよ』と、子どもとの出会いをうれしく思っていることも伝えたいですね」(宍戸先生)
<赤ちゃんはどうやってできるの?>
<男の人の精子と女の人の卵子が結合してできるの>
「低学年なら『お母さんの体の赤ちゃんのもとと、お父さんの体の赤ちゃんのもとがひとつなってできるの』と話せば納得するでしょう」(高橋先生)
「DVDなので受精のしくみを一緒にみて、『自然はよくできてるね。素晴らしいね』と話すと、子どもも感心するもの。性交について話すことに抵抗があれば、『これだ!』と思う性の本を使って説明すると話しやすいですよ」(宍戸先生)