「日本一小さい専業農家」の
初期投資は143万円
私は石川県能美(のみ)市(県庁所在地のJR金沢駅から在来線で30分くらい)で自称「日本一小さい専業農家」【風来(ふうらい)】を営んでいます(通称「源さん」)。
どのくらい小さいかというと、小さなビニールハウスが4棟、耕地面積は全部で30アール(1ヘクタール=100アール)です。
ざっとサッカーコート半分くらい。通常の野菜農家のほとんどが3ヘクタール以上ありますので、その10分の1以下の大きさになります。
初期投資は143万円だけで、今日に至るまで、借金をしたことも、補助金をもらったこともありません。
年間売上1200万円、
所得(利益)600万円!
労働力は夫婦2人だけ。
稼ぎとしては、50品種以上の少量多品種の野菜栽培で野菜セット、漬物・お菓子加工、店舗直売やネット販売により、年間売上1200万円、所得(利益)600万円。
大儲けというレベルではないかもしれませんが、命の源である食を育てているということで、買っていただきながら感謝の言葉を多くいただいたり、夫婦+子ども3人との時間を持て、無理なくできる。そんな農的暮らしを堪能しています。
もちろん、大規模農業、大規模農家で補助金をもらうのがいけないのかというと、私はそうではないと思っています。
農地を守ることは、日本の大地を守ることにもつながります。
食の安全保障という観点からも、大きな田畑の農家にはもっと補助金があってもいいくらいだと思っています。
ただ、これから脱サラして農家を目指したり、農的暮らしをしたいという方は、可能な限り補助金や借金のないやり方をおすすめします。
借金のない農家ほど強いものはなく、補助金をもらわない農家ほど自由なものはないからです。
改めて考えてみると、「農家」という言い方もざっくりしすぎています。
規模もやり方も育てているものも違うのに、農産物を育てていれば同じ農家というのは無理があります。
大規模農業には大規模なりのやり方が、小さい農家には小規模なりのやり方があるのです。