優秀な人は「仕事と直接関係ない雑談」をこう活かしている

雑談への許容度は
会社によって3段階に分かれる

 日米大手企業のジョイントベンチャーの役員をしていたことがある。社員には様々なバックグラウンドの人がいた。ワークライフバランスのメリハリが効いた外資系企業や、元気に明るく仕事を楽しむのが好きなベンチャー起業の出身者など、カルチャーを異にする人たちが集まっていた。

 あるとき、一人の役員が「職場での私語が多すぎる。慎しんだほうが良いと思う」と、雑談を問題視した。

 その人は日本企業に就職した後に渡欧し、帰国後もフランスの企業に長く勤めた経験を持っていた。仕事はいつも合理的で、効率的に時間を過ごす習慣が染みついた人なのだ。彼の主催するミーティングは、いつも入念な準備がされており、参加者は有意義な話合いができる。結果も出していて、尊敬できる人だった。

 ただ、その人は自分の仕事に関係ないことには基本的にまったく関わらないというスタンスだった。明るく仕事を楽しむのが好きな会社の出身者が、今で言えば、「やれコインチェックがどうの、株が下がった、芸能人の不倫報道がどうの」など言い合うのは時間の無駄でしかないと映っていたはずだ。

 雑談に対する会社の許容度は、「雑談NG」、「消極的にOK」、「積極的にOK」の三種類に大別できる。

 積極的OKの会社は雑談こそ、アイデアの卵で宝庫、ビジネスのきっかけ、世の中の動きを捉えるセンサーの役割を担うという認識だ。

 消極的にOKというのは、ときには息抜きやストレス発散の時間が必要、また、雑談の中から、ビジネスのアイデアが出ることもゼロではないだろうといった構えの会社。

 雑談NGの会社の人には、あらゆる雑談はすべて無駄に見えることだろう。