池上正樹
第64回
「人見知りしてしまう」「会話が苦手」といった理由から、社会を離脱する引きこもりの人たちが多い。そんな彼らが社会に出ていくために、最初の関門となるのが、自己紹介だ。一体、どのようにその苦手意識を克服すればよいのか。

第63回
市内の大半が大津波による浸水被害を受けた宮城県石巻市。そんな石巻地区には、唯一といわれる引きこもり支援団体があり、震災後、孤立した高齢者などの弱者の支援に駆けずり回っている。「災害弱者」といわれる彼らは、どんな状況にあるのか。

第62回
これまでに「引きこもり」経験者を28人雇用した企業がある。それがアイエスエフネットというIT系企業だ。同社はなぜ、これだけの数の「引きこもり」経験者を採用しているのか。

第61回
東日本大震災後、心が不安定になる人たちが多く見受けられた。現実に起こったこととは到底思えないような惨状を目にして、誰もが喪失感のようなものを抱いたに違いない。そしてそれは、「引きこもり」の心性をもつ人たちの間でも起こっていた。

第60回
努力はしているのに、なかなか成果の出ない。とくに「引きこもり」の心性をもつ人たちは、多かれ少なかれ、このような思いを抱いている。実はそうした人たちを救うようなメッセージをあのドラッカーはいくつも発している。

第59回
「引きこもり」界において、ある種の“カリスマ”的存在だった日本最大の家族会組織である「全国引きこもりKHJ親の会」代表の奥山雅久さんが亡くなった。筆者も通夜に参列して、いろいろな思いが頭を駆け巡った。

第58回
社会から離脱して、引きこもる人たちの中に「負い目ポイント」というものがある。一旦、社会を離脱した人たちが、なかなか復帰できなくなるのも、こうした負い目ポイントを本人ではなくて、社会がつくりだしていることに原因がある。

第57回
厚労省は、「引きこもり」本人や家族への対策推進を加速させている。その対策として挙げられるのが、コーディネーターらの配置や支援センター整備を行う「セーフティネット支援」と医療などの専門家が訪ねて診療する「アウトリーチ支援」だ。

第56回
社会復帰をするために就職活動をしようと、エントリーシートの記入や自己分析をし、ハローワークへ通う人は少なくないだろう。しかし、それは必ずしも引きこもりの人たちを救う手立てになっているとはいえない。

第55回
「引きこもり」というと、いまだに「裕福な家庭だから…」とか「甘えている」などといった誤解や偏見が根強く残っている。そうしたなかで、当事者や家族は、ますます社会復帰から遠ざかってしまうという現状がある。

第54回
生きづらさを抱えた自分がものすごくイヤで、なかなか外に出られなかった。そんなつらかった心の病などの経験をカミングアウトし、「自慢話」やアートに置き換える活動を続けることで、収入を得る経済生活への第1歩を踏み出せた人たちもいる。

第53回
最近、「セカイ系」と呼ばれる人たちが増えているという。引きこもりのなかにもそうした人たちが多く見られ、「自分の明日の仕事」について聞くと口ごもるのに対し、政治や経済、社会とか文化とかの話になると、とうとうと語り出す特徴がある。

第52回
一旦、社会から離脱してしまった人たちが再び社会とつながれるようになるのは、非常に難しい。しかし、実際に長い引きこもり状態から抜け出し、就職という形で社会に出ていけるようになった人たちもいる。

第51回
引きこもりの人々の中には、社会から離脱することは「家の恥」だという思いを持つ人がいる。そのことに罪悪感を持つ人たちほど皆、誰にも相談できず、社会とつながれないまま、地域の中で息を潜め、孤立しているという実態がある。

第50回
一生懸命、頑張ってきたのに、なかなか社会に受け入れてもらえない。そんな“社会に定着できない人たち”が増加している。そして彼らは親元から独り立ちしようとしても、経済的に自立した生活を送ることが現実的に相当厳しい状態にある。

第49回
「引きこもり」の長期化と高年齢化が進んでいるが、同時に高齢化しているのが引きこもりする人々の親たちだ。引きこもり続ける子どもを抱えた母親は、どのような気持ちで毎日を過ごしているのだろうか。

第48回
「引きこもり」と聞くと、身体的な理由などから仕事に就けず、社会的なつながりも失ってしまった人というイメージがあるかもしれない。しかし、バブル崩壊後の不況の中で増え続けているのが、会社を解雇された後、「引きこもり」になった人たちだ。

第47回
長期化や高年齢化の進む「超引きこもり社会」の行く末の一端を暗示するような悲劇が起きた。元銀行員の78歳父親が、50歳の長男を金属バットで撲殺したという事件だ。長男は大学在学の頃から約30年、ほとんど家に引きこもる生活を送ってきたという。

第46回
拒食症や過食症などの摂食障害によって、長年、引きこもり状態を余儀無くされる人が増えている。しかし、地獄のような「引きこもり」の日々を送りながら、ひょんなきっかけから、アーティストとして“社会復帰”できた人がいる。

第45回
内閣府は今年7月、引きこもり70万人、予備軍155万人と推計した。この内閣府のデータに対し、『引きこもり家族会』の全国大会にて厚労省研究班は「少し疑問に思う」と、控え目なトーンで異論を唱えたのは興味深い。
