生きづらさを抱えた自分がものすごくイヤで、なかなか外に出られなかった。そんなつらかった心の病などの経験をカミングアウトし、「自慢話」やアートに置き換える活動を続けることで、収入を得る経済生活への第1歩を踏み出せた人たちもいる。
“いま”という空気を感じた
『こわれ者の祭典』の熱気
少し古い話になるが、1月9日の日曜日、新宿ロフトプラスワン(新宿区)で開かれた『こわれ者の祭典~「病気」から回復した僕たちのメッセージ~』というライブに誘われた。
出演するのは、「引きこもり」や「アダルトチルドレン」「強迫行為」「脳性マヒ」などの当事者たち。それぞれが「生きづらさから、どのようにして回復していったのか」を朗読やコント、パフォーマンスなどで披露する。また、精神科医の香山リカさん、作家の雨宮処凛さんらも交えて、トークを行うイベントだ。
休日にそんな集まらないだろうと、タカをくくって、ぶらりと開演直前くらいに出かけてみれば、すでに会場の入り口は満員の観客で入りきらない。中に入って見渡してみると、客席は立ち見までギッシリ埋まって、熱気に溢れている。
意外に、若い世代の人たちが多いことにも驚かされた。いや、むしろ中高年以上の世代の姿が少ない…というべきなのか。すでにイベントは9年くらい続いていて、リピーターもいるそうだ。これが、“いま”という時代の空気なのだろう。そう思うと、かすかな希望が見えるような気もしてくる。
引きこもりへの自己嫌悪を拭った
「くたばれ、自己責任!」という言葉
中でも、こうして詰めかけた若い世代の魂を揺さぶるようなストレートな訴えを披露し、会場を笑わせていたのは、「引きこもり」経験者で、イベントの主催者でもある月乃光司さん(45歳)の叫ぶ朗読だ。
月乃さんは、「引きこもり」時代に着ていたというパジャマ姿で舞台に登場。そして、こう叫ぶ。
「くたばれ、自己責任!」