池上正樹
第24回
いわゆる「引きこもり」になってしまい、苦悩を抱えるのは当事者だけではない。彼らの家族も自殺を考えるほど、追い込まれているケースが少なくない。それにも関わらず、家族の気持ちを汲んだ国の対策が十分ではないのが現状だ。

第23回
引きこもりの症状は、「心の問題」として片付けられがちだ。しかし、岩手大学の大沢博名誉教授は、「身体を動かすエネルギーの素が、十分に摂れていないからではないか」と引きこもりと食生活の関係性を指摘する。

第22回
会社の前で、身体がびくとも動かなくなってしまい、それをきっかけに出社拒否、そして「引きこもり」になってしまうサラリーマンが少なくない。今回は、突然会社に行けなくなる理由を「精神・神経生物学」の観点から探っていこう。

第21回
自分のままでいようとすると、周囲から浮いてしまう。自分でうまくコントロールしていないと、叩かれてしまう。そうした生きづらい状況が日本社会に漂っている。こうした状況を打破する働き方はないのだろうか。

第20回
エリートだと思われてきた優秀な会社員が、長期間休職した末、退職して地域の中に引きこもっていくケースが増えている。彼らは、プライドが高くて、傷つきやすい、同時に些細なことでキレやすい特徴があるという。

第19回
長引く不況の影響で、「椅子取りゲーム」のような社会状況から、弾き飛ばされる人たちが増えている。そんななか、「みんなで出資・経営・働く」という協同労働という新しい働き方が注目され始めている。

第18回
「引きこもり」という言葉が再びクローズアップされるようになった。きっかけの1つには、4月17日に愛知県で起きた一家5人殺傷事件の影響もあるのだろう。容疑者の長男は約15年間、家で「引きこもり」状態にあったのだ。

第17回
最近、ホームレスの中にも、何らかの精神疾患を抱え、“路上に引きこもる”人が増えているという。彼らは、路上生活を抜け出したいと必死だが、なぜか生活保護を受けることを拒み続けている。一体なぜなのだろうか。

第16回
「格差社会」が叫ばれ、ワーキングプアの人たちは「負け組」というレッテルを貼られている。しかし、収入が高くても会社に使われる働き方に耐えられず、辞めた人たちもいる。人間の幸福感は、単純に所得だけでは測れない。

第15回
引きこもる当事者や家族から「生活ができない」といった経済的困窮への悩み・相談が日に日に増えてきている。特に、当事者が35歳以上のケースでは、貧困に関するものが多く、社会への不信感や絶望、怒りなどを切々と訴えてくる。

第14回
身体は元気なのに、社会から拒絶される人々が増加している。それは社会が「キャリア(経歴)」で切られる仕組みであり、エリートさえ一度でも失敗したら“奈落の底”に落ちる薄い板の上にのっている状況だからだ。

第13回
通勤電車に乗れない。上司にモノが言えない――様々な事情から「会社に行けない」と訴える「不安障害」の人たちが増えている。さらに「サラリーマンの4人に1人は、何らかの精神疾患に罹っている可能性がある」という。

第12回
「人前に出ると緊張する、赤面恐怖、視線恐怖」という症状が見られる社会不安障害。実はこうした症状が、うつ病と診断される裏側にあるというケースが多いことがわかってきた。

第11回
やるべきことを先延ばしにする。仕事のミスが多い。時間に遅れる。人付き合いがうまくできない。場の空気が読めない。キレやすい。落ち着きがない。片づけられない――そんな“大人の発達障害”が問題になっている。、「大人の発達障害」の場合、うつ病や依存症を併発するなど、より大きな問題を引き起こしかねないことが明らかになってきたのだ。

第10回
「ひきこもり」になるきっかけとして一番多い理由は「職場不適応」であり、47%と約半数を占めることがわかった。そうした人たちの性質として挙げられるのが「まじめで、対人関係が苦手」ということだ。

第9回
国の引きこもり対策がようやく具体的に動きはじめ、4月からは「子ども・若者育成支援推進法」が施行せれる。引きこもりの人たちには希望の光となるはずの支援法となるはずだが、相変わらず実態に添わない偏見も多数存在している。

第8回
2月13日、内閣府主催の公開講座「ひきこもりを考える」が開かれた。しかし、具体的な現場の臨床や取り組み例などを期待してやって来た引きこもり本人やその家族たちはガッカリと肩を落としていた。一体なぜなのか。

第7回
電車に乗ると突然心臓がバクバク、逃げ場のない空間が怖い――。こうした症状が突然表れるのが「パニック障害」だ。こうした症状を持っているために仕事がしたくとも障害と理解されず、苦悩する人々がいる。

第6回
一旦、社会を離脱すると、なかなかリスタートラインに立てない壁がある。「引きこもり」の典型的なのが、何となく会社を辞めて、その後働く意欲が湧かなくなってしまうケースだ。彼らの背後にある心の闇とは何か?

第5回
スピーチで大失敗、受付などで名前を書く手が震える――。引きこもりの原因の1つとして最近指摘されるようになったのが、そんな「社会不安障害」の症状だ。そうした失敗をトラウマに、会社を退職をする人々も増えている。
