
野口悠紀雄
第19回
アメリカでフリーランサーが、それも専門的職業において増加している。重要なのは、インターネット上で提供されるプラットフォームが需要と供給を結びつけ、そうした傾向を加速していることだ。

第18回
以前は物珍しさが先に立っていたビットコインだが、最近ではその将来性を理解した上で、実際に活用しようとの意識が芽生えている。日本でもようやく関連ビジネスが始まり、成長する可能性が出てきた。

第17回
日本と中国の1人当たりGDPの差が急速に縮小している。一方でアメリカには遠ざかりつつある。そうなるのは、日本と中国の産業構造が基本的に同一だからだ。「日本の中国化」を回避するには、産業構造を変えるしかない。

第16回
首都圏における介護施設不足に対し、高齢者の地方移住を進めるべきとの提言があった。これは需給の“ミスマッチ”解消の手段の一つである。しかし、移住は簡単ではない。それよりも先に考えるべきことがないか。

第15回
企業利益の増大や政府の介入もあって、今年の春闘はベースアップが続いた。有効求人倍率も上昇している。これらは雇用情勢の好転を示すものと言われることが多いが、詳しく見れば、実は雇用の事態は悪化している。

第14回
2015年1~3月期の成長率は、予想を上回る高い結果となった。しかし、その内容を詳しく見ると、原油価格下落の影響が大きいことが分かる。インフレ目標の成果でも、また消費税増税の影響が薄れたためでもない。

第13回
世界では、コストの低下によりスマートフォンの利用が急増し、それを用いた新しいサービスが次々と登場している。それらは、われわれの日常生活を大きく変える半面で、既存のビジネスに多大な影響をもたらす。

第12回
日本は先進国の中でも起業率が著しく低い。その一因が、米国のようなベンチャーキャピタルが存在しなかったことだ。IT企業をはじめとする新しい事業分野を育てた米国のベンチャーキャピタルとは、いかなるものか。

第11回
アメリカ経済を牽引しているのは新しい産業である。個別企業の観点から見ても、IT関連をはじめとする先端企業が高い成長を続けている。対して日本では、いまだに伝統的企業が規模を大きくする方向での生き残りを目指している。

第10回
為替市場ではドル高が続いている。日本とユーロが金融緩和政策を続ける一方でアメリカが金融緩和から脱却しつつあるためだが、問題は「なぜアメリカだけが脱却できるか」だ。それは、同国の実体経済が強いからである。

第9回
日本経済をドル表示で見ると、普段は分からないことが見える。GDPや輸出は大幅に減少し、企業も売上高は減少、営業利益は微減だ。その中で株価だけが上昇している。これはバブルとしか言いようがない。

第8回
金融緩和政策の効果として本来期待されるのは、投資や輸出の増である。しかし異次元緩和政策導入後、いずれも増えていない。これらの効果がなければ、単にバブルを煽っただけと評価せざるを得ない。

第7回
異次元金融緩和政策は、実体経済に関する期待には影響していない。先日発表の日銀短観で見ると、企業の景気見通しはむしろ悪化している。それを反映して、設備投資の計画も全体では減少だ。

第6回
日銀が異次元金融緩和政策を導入してから2年がたった。現時点でその総括は是非とも必要だ。結論を言えば、円安をもたらして株価を上昇させたが、実体経済には影響を与えることができなかったということである。

第5回
2015年の実質賃金上昇率は、14年比で3.1ポイント上昇になると予想される。ただしこれは原油価格下落でインフレ率がマイナスとなるためで、15年の賃上げが格別大きいのではない。日銀が言うのとは逆のことが生じているのだ

第4回
昨年以降、アメリカの金融緩和終了によって、金融・為替市場は大きく変化した。では、円安は新しい安定的均衡なのか? そうは言えない。円安が進行する条件には、かなりの無理が含まれているからだ。

第3回
消費者物価はここ2年ほどの間に円安で上昇し、昨年秋からの原油価格下落によって下がっている。これらの動きは、実質所得や実質消費にどのような影響を与えているか? 今後の実質所得はどうなるだろうか?

第2回
日経平均株価がリーマンショック前のピークを超えた。だが製造業の利益はリーマンショック前を下回っており、また利益増は一部大企業に限られる。伸びているのは非製造業だが、これはアベノミクスとは無関係だ。

第1回
いま世界経済は新しい時代に入りつつある。その象徴が、米国の金融緩和の終了と原油価格の下落であり、いずれも「投機の時代」の終了を示している。日本はこの新しい世界に適合できるだろうか? その条件は、金融緩和を終了させることだ。

第13回・最終回
2014年10~12月期の成長率は、3四半期ぶりにプラスに転じた。これは消費者物価が下落し、消費支出が回復したためである。つまり、「物価上昇率2%」の目標が、誤りであることを示している。
