アメリカではフリーランサーが増加している。伝統的に自営業者が多い農業、小売店、建築業者ではなく、専門的職業において増加している。
重要なのは、インターネット上で提供されるプラットフォームが、そうした傾向を加速していることだ。以下では、この状況を見ることとしよう。
インターネットの利用で
増加するフリーランサー
アメリカのトップクラスのベンチャーキャピタルであるKPCB(Kleiner Perkins Caufield Byers)が毎年発表している「インターネット・トレンド」の2015年版では、インターネットを通じて作り出されたオンライン・プラットフォームと市場を利用して、フレキシブルな仕事につく人々が増加している状況を分析している(このレポートの概略の翻訳は、ここに掲載したので参照されたい)。
まず、「フリーランス」とは、特定の企業や組織に所属せず、独立して事業を行なう個人を指す。こうした形態で事業を行なう人たちを、フリーランサーと言う。ライター、デザイナー、コンサルタントなどにフリーランサーが多い。
KPCBのレポートは、フリーランサーをつぎのように分類している。
(1)独立した契約者
現在アメリカに2100万人いる。40%がフリーランサーだ。雇用主はいない。プロジェクトごとに契約し、一時的または補助的な仕事をフリーランスで行なう。
(2)ムーンライターズ(夜間労働者)
現在アメリカに1400万人いる。27%がフリーランサーだ。伝統的な職場での専門職であって、その合間にフリーランスでの仕事を行なう。
(3)複数の仕事を持つ労働者
現在アメリカに900万人いる。18%がフリーランサーだ。伝統的な仕事とフリーランスをミックスさせ、複数収入源を持つ。
(4)一時的労働者
現在アメリカに600万人いる。10%がフリーランサーだ。雇用主や契約者は単一。ただし、就業は一時的。
(5)自分をフリーランサーと考えるビジネスオーナー
現在アメリカに300万人いる。5%がフリーランサーだ。1~5人の従業員を持つビジネスオーナー。