
2012.6.21
日本の「デフレ」のメカニズム――財対サービス、製造業対サービス産業の差が重要
これまで、量的金融緩和政策が物価動向に影響を与えなかったことを見てきた。他方において、日本の消費者物価が長期的・継続的に下落しているのは事実である。では、なぜ物価が下落するのであろうか?
一橋大学名誉教授
1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『1940年体制―さらば戦時経済』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』『仮想通貨革命』『ブロックチェーン革命』など。近著に『中国が世界を攪乱する』『経験なき経済危機』『書くことについて』『リープフロッグ 逆転勝ちの経済学』『「超」英語独学法』などがある。野口悠紀雄ホームページ
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2012.6.21
これまで、量的金融緩和政策が物価動向に影響を与えなかったことを見てきた。他方において、日本の消費者物価が長期的・継続的に下落しているのは事実である。では、なぜ物価が下落するのであろうか?
2012.6.14
日本の長期不況の原因は金融政策にあるとし、緩和政策を取るべきだとの意見は、外国からも日本の政策当局に寄せられた批判だった。しかし、量的緩和政策の結果を見て、「量的緩和政策は効果がなかった」と認めざるをえなくなった。
2012.6.7
いま「日本国債バブル」と呼びうる状況だが、日本の財政状況がきわめて悪いにもかかわらず、国債に対する需要が大きいのは、不自然である。これはヨーロッパの金融危機がもたらした異常な事態であるが、日銀による国債購入がバブルをあおっている面…
2012.5.31
日銀は、5月23日の政策決定会合で、格別の追加緩和措置をとらないことを決定した。しかし、今後一層の金融緩和を求める圧力が高まる可能性が高い。そう考えられるいくつかの理由がある。
2012.5.24
5月16日の日銀の国債買い入れオペでは、初の「札割れ」となった。つまり、金融機関は、国債を保有し続けることが有利と考えているのだ。そうなると、国債価格が暴落したときに、大きな問題を引き起こす。
2012.5.17
2001年に量的緩和を始めたとき、購入額が野放図に増えないために導入した日銀券ルール。このルールはすでに破綻しているが、重要なのは、現在行なわれている政策のメリットとデメリットを客観的に評価することである。3つの観点から見てみよう。
2012.5.10
日本銀行は、4月27日の金融政策決定会合で、追加金融緩和策を決めた。他方で、2012年3月の全国消費者物価指数2ヵ月連続で上昇した。しかし、これは、日銀の金融緩和の結果ではない。それとはまったく関係がない原因によって消費者物価が上昇してい…
2012.4.26
「新興国工業化の影響は、世界的なもので、日本だけがその影響を受けるはずはない」と反論されることがある。ではアメリカの消費者物価が上昇しているのはなぜか。アメリカも新興国工業化の影響を受けているはずだ。
2012.4.19
2009年以降、サービス価格の下落があった。07年以降、ほぼ継続してプラスであったが、09年6月から11年3月までかなり顕著なマイナスとなった。総合指数の下落幅増大にも寄与している。今回は、こうした変化がいかなる要因によって生じたのかを考える…
2012.4.12
需要の動向と消費者物価の動向は、正反対だったことは、前回までのコラムで解説した。これは、「需要が不足するので物価が下がる」という考えが誤りであることを、明確に示している。
2012.4.5
これまでの連載で、「量的緩和はマネーストックにほとんど影響を与えず、消費者物価にも直接影響しない」ことを述べた。だが、データを見ると、円安によって輸入物価を引き上げている。
2012.3.29
2001年に行われた量的緩和はマネタリベースを増加させたがマネーストックは増加させず、物価にも影響しなかった。2008年の経済危機後、アメリカでもQE(量的緩和)が行われたが、結果は同様だった。
2012.3.22
第10回連載では日銀が銀行から国際を買い上げることができたのは、利子率が低下してきたからであると述べた。では日銀が直接政府から購入、つまり日銀引き受けをすればどうか。検討してみよう。
2012.3.15
景気回復は望ましいことだ。そのために、政府や日銀はさまざまな対策をうっている。しかし、よくよく考えれば、景気回復すると国債が暴落する可能性がある。一体、どういうことなのだろうか。
2012.3.8
政府・日銀の為替介入をきっかけに円安が進み、2003年頃から輸出主導型経済成長が実現した。今、当時と同じような金融緩和が行われようとしている。そのためにも当時の金融緩和過程を詳細に見てみよう。
2012.3.1
2001年から実施された「量的緩和政策」。しかし、ベースマネーは伸びたがマネーサプライは低迷し、GDPや物価に関しても効果がなかった。真の目的は難だったのか。そこで立てられる仮説は真の目的が「国債購入」ではなかったのか、ということだ。
2012.2.23
2月14日に日本銀行が行った金融緩和策で、長期国債の購入限度額が拡大、株高が進み円高に歯止めがかかった。一見、この事態は好ましいように思えるが、本当にそうなのだろうか。
2012.2.16
対中国輸出は日本にとって重要であることは言うまでもない。ところが、中国経済に占める日本の輸出のウエイトは、経済危機前に比べると低下している。今後、対中輸出は日本を支えるほどの存在になるのだろうか。
2012.2.9
日本の電機産業は軒並み大赤字の予想だ。基幹産業として位置づけられている電機産業は、はたして生き残れるのだろうか。日本の貿易構造の変化から、電機産業と日本の産業構造の将来を推察した。
2012.2.2
日本経済を支えてきた自動車産業。その自動車産業が補助金なしでは成り立たない産業、つまり“農業化”してしまった。いったいどういうことなのか。
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