姫田小夏
第123回
鳥インフルエンザウィルスによる被害は4月10日時点で、中国全土で感染者33人、死亡者9人に増えた。そのうち上海市では15人が感染し5人が死亡するなど、高い比率を示し、あちこちに影響が出ている。同日午後、筆者は街に繰り出し、鳥インフル影響下の上海を歩いてみた。

第122回
昨年9月の反日デモ、そして日本製品ボイコットを旗印にした日本経済への制裁から半年が経った。現地の日系企業にとっては、いまだその後遺症を引きずる結果となっており、一見、制裁は成功したかのように見える。しかし、果たして本当に彼らの狙い通りになっただろうか。

第121回
上海市宝山区といえば、上海でも名だたる工業地帯だ。その中核となるのが宝山製鉄所、日本人にとっては、山崎豊子氏の長編小説「大地の子」の舞台として知られているところである。筆者は今年2月、この「鉄の街」を歩いた。

第120回
中国で大騒ぎとなったPM2.5問題。今年1月12日、北京ではPM2.5の数値が国の基準値の約13倍を記録。北京のみならず、中国の30都市でこの1月だけで合計4回のスモッグが発生し、深刻な大気汚染が問題となった。

第119回
2012年9月の反日デモで、中国の日系小売店舗はその標的とされ、デモ参加者による破壊行為や略奪行為が行われた。しかし、イトーヨーカ堂の店舗だけは北京でも成都でもほぼ無傷だった。その理由はどこにあるのだろうか。筆者は、ある人物にスポットを当てた。

第118回
2月5日、日本のトップニュースに再び尖閣諸島が躍り出た。「中国艦が海自艦に射撃前レーダー照射」――。ひとつ間違えれば戦闘状態に突入だ。一触即発のセンセーショナルな事態に、日本列島が震撼した。

第117回
「冬の時代」だったはずの中国の不動産市場が復活しようとしている。2012年12月、中国70都市における住宅販売価格について中国国家統計局は、「54都市で前月比上昇、40都市で前年比上昇」とし、ここに来て新たな動きを見せ始めている。

第116回
年明け早々、中国では、週刊紙「南方周末」が当局の介入により記事改ざんを強要されたという事件が取り沙汰されている。当局が「南方周末」編集部に対し、新春特別号である1月3日付の社説を含む記事の差し替えを強要したものだ。

第115回
12月26日、第2次安倍政権が発足した。3年3ヵ月振りの政権交代劇と安倍氏の復活劇を、中国はどのように受け止めているのだろうか。タカ派のイメージが強い安倍新政権だが、中国では警戒感以上に、むしろ期待感の方が強いようだ。

第114回
日本企業の中国進出は上海万博前後のブーム期を経て、尖閣問題によって曲がり角を迎えている。中国以外へのアジアシフトが模索されているが、はたして「他社が行くからウチも」といった安易な姿勢で、日本企業は成功できるのか。

第113回
11月15日、習近平氏は記者団に向けて行った演説で、毛沢東氏の言葉を引き「対人民負責、為人民服務」(人民に対して責任を負い、人民のために尽くす)と語った。では、人民のためにどう尽くすべきなのか。

第112回
中国100都市以上で発生したとも報じられている反日デモから、すでに2ヵ月が過ぎた。季節が秋から冬へと移るように、中国もあの当時のままの中国ではない。徐々に変化も表れている。中国のメディアは今、あの激しかった反日デモを改めて国民に問いかけている。

第111回
このごろ、上空の騒音が気になるようになった。上海市北部には、中国人民解放軍が管理する大場飛行場があるが、どうやらここを離発着する軍用機が増えたようだ。人民解放軍の主な幹部人事も入れ替わり、若返りが図られた。

第110回
上海では今、日本人が集まれば「今後どうする?」の話題で持ちきりだ。相互に情報収集に余念がない。今回の暴動を機に事業縮小もしくは撤退する日系企業が出始める一方、企業にはさまざまな「退くに退けない」事情もある。

第109回
トヨタとも間接的に取引のある愛知県の自動車部品加工メーカーのA社は、江蘇省の経済開発区に昨年、新工場を設立。しかし尖閣問題をめぐる対日制裁で、先行きには黒雲が垂れ込めていた。

第108回
柳条湖事件が勃発したとされる9月18日、上海でも反日ムードが一気に高まり、上海日本総領事館周辺はデモ隊の掲げる五星紅旗で赤く染まった。「魚釣島は中国のものだ」「日本製をボイコットせよ」と叫ぶデモ隊が日本領事館を取り囲んだ。

第107回
景気が鈍化する中国で、中国ビジネスに音を上げる経営者が続出、労働集約型の製造業のみならず、ホテルや飲食などサービス業からも悲観論が聞こえてくる。中国ビジネスに旨みはなくなってしまったと訴える、上海の飲食業界をクローズアップした。

第106回
中国での反日デモや抗議活動への参加者は、圧倒的に若い世代が多い。その急先鋒となっているのが、1990年代生まれの「90后(ジューリンホウ)」、今年13歳~22歳の年齢層に相当する。彼らが矛先を向けるのは、高圧的に安定維持を続ける中国共産党だ。

第105回
「中国、再び不動産熱」―― 7月下旬、日本のメディアは、金融緩和で動きが出始めた中国の不動産市場の変化を報じた。その背景には中国人民銀行の利下げが指摘されるが、それだけではなく、「利下げは政府の政策転向だ」という先走った誤解が「買い」に火を付けたのだ。

第104回
中国の教育現場でも問題は山積みだが、学校そのものは、日本のように“荒廃”はしていない。日本語の「いじめ」に相当する中国語「受欺負」で検索してみると、中国語サイトなのにヒットするのは日本に関する記事ばかりだ。
