姫田小夏
第160回
中間層が育ち、急成長するバングラデシュ。もともと親日国であり、ビジネス面でも規律に忠実な日本企業は好印象で迎えられていたが、最近はこれに変化が起きている。

第159回
中国の国家発展改革委員会は20日、日本の自動車部品メーカー12社に対し独禁法違反行為を認め、うち10社に対し過去最高額の罰金処分の決定を発表した。このような形で複数の日本企業が一気に摘発の対象になったのは、過去に例がなく、しかも、あまりに突然だ。

第157回
日本で中国の食品工場の内情を暴いた衝撃の映像が流れた。実はこの番組、テレビ局の記者が従業員になりすましての3ヵ月にわたる潜入取材がもたらしたスクープだった。実はこうした「潜入取材」は、中国では珍しくない。

第156回
英国では住宅価格が昨年1年間で10%以上上昇した。大手不動産サービス会社は「ロンドン中心部に建設される新築の高額物件は、購入のほとんどが海外からの資金によるもの」と分析する。しかもその半分が中国大陸からの流入だという。

第155回
低コスト生産の魅力が減退する中国。現地に進出する日本企業なら一度は撤退を考えたことはあるだろう。だが、現実を知って愕然とする。「撤退したくとも撤退できない」からだ。

第154回
5月下旬、上海の友人夫婦が訪日旅行に旅立った。彼らは初めての海外旅行に日本の関西を選んだ。60代の両親は「日本に行けばいじめられる」と反対したが、この“80后”と呼ばれる1980年代生まれの若い夫婦は、全く意に介していなかった。

第153回
上海の地下鉄2号線の人民広場の駅で、中国人のお母さんがベビーカーを押して車内に入ってきた。見ると、2歳ぐらいの子どもが大事そうにぬいぐるみを抱いている。相当お気に入りの様子だ。そのぬいぐるみをよく見るとそれはあの「しまじろう」だった。

第152回
今年2月、浙江省杭州市で激震が走った。住宅価格が下落し、複数の新規分譲マンションで値崩れが起こったのである。こうした沿海部の二級都市は順調に経済成長を遂げており、住宅供給のダブつきは一時的にはあったにせよ、深刻な経済問題になることはほとんどなかった。

第151回
「官民連携」という言葉をよく耳にする。グローバルでの市場開拓においては、民間の力の及ばないコネクションや資金調達を「官」がフォローし、道筋をつけるという意味で期待が高い。だが、この官民連携も現実は歯車がうまくかみ合っていない。

第150回
中国の大気汚染問題は、そう簡単には解決しそうにないが、この状況下で、ある家電製品が空前のヒットになっている。いわずと知れた空気清浄器である。最近の調査では、日系4社で4割のシェアを握っているという。

第149回
カネを巡って騙し騙されの中国社会、「騙された」とわかったときに、彼らは恐るべきエネルギーを発揮する。ひとたび自己資産が目減りしようものなら、民衆は間違いなく大暴れし、それは国家的クライシスの引き金にさえなりかねない。

第148回
中国で和食文化がよりいっそうの広がりを見せている。コンビニでは寿司が定番の弁当になり、繁華街では回転寿司が週末グルメの代表格となった。上海市内では至る所に日本料理店の看板が掲げられ、しかも、その支持層は着実に中間層にシフトしつつある。

第147回
上海の日本人社会では「新歓パーティ」でなく「さよならパーティ」が極端に増えた。撤退する日本企業は増加の一途だが、この幕引きも決してスムーズとは言えず、多くの日系企業が悪戦苦闘している。

第146回
かつて中国のにおける巨万の富を象徴する存在だった石炭業界の低迷は、今回のシャドーバンクのデフォルト危機につながっている。「騙された」と怨嗟の声を上げる投資家が続出するなか、危機的状況に陥った中国経済の舞台裏を覗いてみたい。

第145回
2月初旬、冷え切った日中関係をよそに、春節休暇の中国人旅行客が日本各地に舞い戻ってきた。中国人の旅行消費は外国人全体の19%を占めダントツだが、東南アジアからの旅行者の増加で、こうした状況にも変化の兆しが出ている。

第144回
世界各国、日本企業の進出する先々で、中国の存在は無視できない。今回は、そんな中国との競争の在り方は“ガチンコ対決”でいいのか、について考えてみた。そもそも日本企業は、中国企業と同じ土俵で正面から勝負することができるのだろうか。

第143回
安倍首相のアフリカ歴訪でもまた日中間で火花が散った。首相の「資源の獲得や輸出先の確保のためだけの投資は行わない」との発言にカチンと来た中国外交部は、首相が表明した多額の支援に「ちゃんと実行できるか、お手並み拝見」と、嫌味たっぷりに切り返した。

第142回
上海での商業施設開発は一握りの“特権階級”を相手にした商売が主流で、一般市民から買い物の楽しみを奪ってしまった。そのような状況下、三井不動産が手がける「ららぽーと」が進出する。

第141回
年末年始の海外旅行需要が好調に推移しているが、大手旅行代理店では奇妙な現象が起きていた。あれほど人気だった中国旅行のパンフレットが、店頭から忽然と姿を消していたのである。代理店職員に尋ねてみると……。

第140回
12月2日、米バイデン副大統領が訪日し、安倍晋三首相と会談した。「米国は東シナ海の現状を一方的に変更しようとする中国の試みを深く懸念している」と述べ、その二日後に訪中する際は、日米の共通の見解を中国政府に伝えるものと期待されていた。ところが……。
