
真壁昭夫
第331回
低価格路線で走ってきたユニクロが、既存商品の値上げに乗り出す。その背景には、折からの人手不足、物価上昇観測の影響も見える。とはいえ、こうした観測が生むバンドワゴン効果はいつまで続くだろうか。日本経済が真の復活を遂げるためには?

第330回
韓国はとても面白い国だと感じる。ことあるごとに鋭くわが国のことを批判する一方、知識層には親日派も多く、とりわけ日本の経済活動に親近感を持っているからだ。こうした現象からは、韓国人の抱える本当のリスクが透けて見える。

第329回
韓国が中国にすり寄る一方、北朝鮮は拉致問題で日本に歩み寄りを始めた。日米中韓朝の利害が複雑に絡み合う朝鮮半島のパワーバランスが、変化を見せ始めた。その変化の背景には、大国となった中国の思惑が深く絡んでいるように思える。

第328回
最近、様々な分野で「人手が足りない」という声を聞く。最近まで“就活氷河期”などと言われていたが、どうしたことか。背景には景気回復期待があると言われるが、そればかりではない。さらに中長期的な課題が潜んでいるのだ。

第327回
あまりにも杜撰なフェリー事故を通じて、韓国社会が抱える様々な課題が論じられるようになった。筆者も様々な関係者へのヒアリングを通じて、事故に隠された韓国人の心理がわかって来た気がする。日本は「難しい隣人」とどう付き合うべきか。

第326回
中国は日本、ベトナム、フィリピンなどとの間に領有権に関する紛争の火種を抱えている。足もとで、同国の対外姿勢は驚くほど強硬だ。背景には、岐路に立たされた国内情勢などの影響も見える。中国はこれから、どこへ進もうとしているのか。

第325回
中国の巨大IT関連企業であるアリババ集団が、米国の証券取引委員会に新規株式公開の申請書を提出した。実際の株式公開は夏以降と見られる。中国に囚われない経営者、ジャック・マー氏の型破りな経営戦略を、投資家はどう評価したらいいか。

第324回
労働市場での求職と求人の比率が好転している。すでに一部の業界では深刻な人手不足になっており、新卒者にとって“売り手市場”になりつつある。もう、ブラック企業に自らを安売りする必要はないのだ。にわか売り手市場の歩き方を指南する。

第323回
4月中旬、ユニクロを運営するファーストリテイリングは、今年8月期の連結業績を下方修正し、純利益がこれまでの増益予想から一転して減益予想となった。利益率低下の背景にはどんな構造変化の影響があるのか。組織改革の必要性を考える。

第322回
今年1月に導入されたNISAには、すでに5000億円が流れ込んだ。NISAは売買益や配当金に課税されないという投資優遇口座。反面、仕組みも複雑で制約も多い。改めてNISAを使った投資のうまみとリスクを分析してみよう。

第321回
8%への消費税増税が始まった4月1日以降の世相を見ていると、国民は意外なほど冷静に見える。以前から日本の財政不安を刷り込まれ、仕方がないと思っているフシもあるだろう。「17年前の悪夢」の再来は本当にないのか。国民感情の裏を読む。

第320回
大学教授OBと世間話をしていたとき、「MOOC」(ムーク)という言葉が話題に上った。自宅のパソコンを使って、インターネット上に公開された世界中の授業を自由に受講できる取り組みだという。これは、大学と学生の在り方を変える教育革命の端緒になりそうだ。

第319回
半導体メーカー・サンディスクの元社員が、提携先の東芝の技術情報を韓国企業に漏洩した事件で、SKハイニックスを巡る訴訟騒動が続いている。これは氷山の一角に過ぎない。熾烈化する韓国・中国との技術競争から、日本はどう身を守るべきか。

第318回
マウントゴックス社の破綻などにより、騒動が発生している「ビットコイン」。一般人の多くは、この仮想通貨の正体についてよく知らない。そもそも金や通貨による信用の裏付けがない産物に、なぜ価値が生じるのか。この機に改めて検証したい。

第317回
足もとでウクライナ情勢が緊迫しており、「ロシア VS 米国・EU」の構図が鮮明化している。国際社会で「新冷戦」との不安も出始めるなか、米ロ両国と重要な関係にある難しい立場の日本は、どのような外交を心がけるべきか。雑感を述べたい。

第316回
売れ行きが好調な新型ゲーム機「PS4」の販売を、日本でも始めたソニー。だが一方で、2014年3月期に大赤字を計上する予想を発表し、リストラを迫られている。同社の「モノづくり」は復活するのか。PS4の好調を軸に、再研究したい。

第315回
41歳の葛西紀明選手が、ソチ五輪のジャンプ・ラージヒル個人で銀メダルを獲り、団体でも銅メダルに貢献したニュースに日本中が沸いた。活躍の背景にはどんな信念があったのか。そこには、ベテランビジネスマンにも相通じる教訓が見える。

第314回
最近、長年中国でビジネスを担当していた友人と、中国に生産拠点を展開する中小企業の経営者の3人で話をする機会があった。金融バブルや大気汚染など、現地の状況を肌で感じている彼らにとって、不安は想像以上に大きいようだ。その声を紹介しよう。

第313回
先日国連の安全保障理事会で、中国と韓国の国連大使が安倍首相の靖国参拝などを取り上げ、激しく日本を批判した。これは異例の事態だ。同盟国である米国も、日本に批判的な反応を示している。複雑怪奇な日米中韓関係をどのように乗り越えるべきか。

第312回
アルゼンチンの通貨の急落に端を発した新興国ショックにより、世界の金融市場が大荒れの状況になっている。米国の金融緩和縮小見通しもあり、今後リスクオフの動きが本格化する不安もある。意外な脆さを露呈した金融市場はどこへ向かうのか。
