真壁昭夫
第179回
浜岡原発停止などが一定の評価を得てはいるものの、政府は大震災後の電力供給について、いまだ具体案を明示していない。資源に恵まれず、震災で痛手を負った日本が起死回生を図るために、どんな次世代エネルギー政策を考えるべきか。

第178回
この国の政治はいったいどうなっているのか――。復興議論そっちのけで起きた内閣不信任案騒動に、国民は開いた口が塞がらない。見世物なら興味深いが、これは現実である。そもそも日本人は、なぜこんなリーダーしか選べないのだろうか。

第177回
不動産バブルの中国では、足もとでインフレ傾向が顕著となっている。日本のバブル期の状況と重ね合わせて、「いよいよ中国バブルが崩壊か」という観測が流れ始めた。日本経済にも打撃を与える中国バブル崩壊は、本当にやってくるのか。

第176回
東日本大震災で起きた原発事故について、東京電力はメルトダウンが起きていた可能性を公表した。もっとも、メルトダウンは当初から素人でも勘付いていたことだ。国や企業の情報開示意識は、なぜ戦時中の“大本営発表”のままなのだろうか。

第175回
個人情報の大量流出事件で揺れるソニーだが、これを「同社だけの問題」と捉える関係者はよもやいまい。今回の事件は、次代のIT業界の牽引役と目されるクラウド・システムが抱える「二律背反」というリスクを、改めて浮き彫りにした。

第174回
東日本大震災と大型連休にかけて、世界では様々な事件が起きた。大事件ばかりが報じられている陰で、実は世界経済に「異変」が起きつつあることをご存知だろうか。米国、欧州、新興国の経済が抱える「時限爆弾」の中身を検証しよう。

第173回
日本の東日本大震災に世界の関心が集中する傍ら、気づけば欧州でソブリン・リスクが再燃している。ギリシャの「借金棒引き」見通しまで取り沙汰されるなか、今回のリスク再燃はかつてないほど重大な意味を持つ可能性がある。

第172回
大震災後の為替市場では、被災地の通貨にもかかわらず円が買われ、史上最高値を更新した。その後の協調介入により円安に振れたものの、足もとでは再び円高傾向が強まっている。投資家にとって理解し難い為替相場の背景には何があるのか?

第171回
この夏、電力供給の大幅な制限が避けられない見通しとなっている。しかし現場の声を聞く限り、電力不足で日本企業が被る痛手は想像以上と思われる。議論が紛糾するなか、不安視されているのが政府の「調整能力」である。

第170回
大震災の悪影響は、依然我が国を覆っている。諸外国は、収束が見えない原発問題に対して「日本リスク」を募らせている。最も懸念されているのは、有効な復興支援を打ち出せない日本の政治である。

第169回
東日本大震災で甚大な被害を被った日本は、復興に向けて歩き出そうとしている。しかし、これまでの対応を見る限り、社会のためになる人とそうではない人は、明確に分かれる。真の「新しい日本」をつくるためには、何が必要なのか?

第168回
日本は今、かつて経験したことがない国難に直面している。東日本大震災の被害は、留まることを知らない。しかし、私は密かに大きな期待を抱いている。今こそ、日本がかつての勢いを取り戻すチャンスだと――。

第167回
長らく「有事のドル買い」と言われた世界の通貨体制が、大きく変容している。足もとでは「有事のドル売り」が起きているのだ。その背景には、世界的な穀物・資源の高騰がある。もはやドルの“金本位制復帰”しかないのか?

第166回
原油や穀物の価格が急上昇し、世界経済への影響が懸念されている。この状況は、産出国の「資源囲い込み」に世界的な政情不安が拍車をかけたとする定説だけでは、説明がつかない。背景には世界的な「パラダイムシフト」がある。

第165回
アラブ諸国の政治不安は、原油をはじめとする資源価格の高騰を招いている。タイミングが悪いことに、足もとでは欧州のソブリンリスクも顕在化している。世界の金融市場には、信用収縮の悪夢が再来するかもしれない。

第164回
エジプトのムバラク政権を崩壊させた市民革命の熱は、方々に飛び火している。奇しくもそれは、「間接民主主義」の限界を露呈した。今後、次世代技術を使った21世紀型の「直接民主主義」は、世界に根付いていくだろうか?

第163回
グローバル競争が激化し、戦略的な企業再編の重要性が増すなか、日本ではまだ欧米的なM&Aに抵抗感を持つ企業が多い。今回新日鉄・住金の合併話は、そんな日本の産業界に新たな意識を芽生えさせる可能性がある。

第162回
相次ぐアラブ諸国の政変が飛び火し、エジプトではムバラク政権に対する大規模なデモが起きている。新・新興国として重視される同地域の不安定化は、世界経済の行方に想像以上の衝撃をもたらす可能性が高い。

第161回
新生GMが“復活”をアピールしている。新興市場戦略が効を奏して、2010年の新車販売台数は世界首位のトヨタに肉薄する勢いだ。日本メーカーを脅かす「自動車戦国時代」が、新興市場を中心に再び幕を開けようとしている。

第160回
経済財政担当大臣として、菅政権へのサプライズ入閣を果たした与謝野馨氏に、民主党内外から批判が集まっている。与謝野氏が胸に秘める「政治家の美学」は、「鞍替え批判」を吹き飛ばし、日本再生への布石を打つことができるだろうか?
