
真壁昭夫
第171回
この夏、電力供給の大幅な制限が避けられない見通しとなっている。しかし現場の声を聞く限り、電力不足で日本企業が被る痛手は想像以上と思われる。議論が紛糾するなか、不安視されているのが政府の「調整能力」である。

第170回
大震災の悪影響は、依然我が国を覆っている。諸外国は、収束が見えない原発問題に対して「日本リスク」を募らせている。最も懸念されているのは、有効な復興支援を打ち出せない日本の政治である。

第169回
東日本大震災で甚大な被害を被った日本は、復興に向けて歩き出そうとしている。しかし、これまでの対応を見る限り、社会のためになる人とそうではない人は、明確に分かれる。真の「新しい日本」をつくるためには、何が必要なのか?

第168回
日本は今、かつて経験したことがない国難に直面している。東日本大震災の被害は、留まることを知らない。しかし、私は密かに大きな期待を抱いている。今こそ、日本がかつての勢いを取り戻すチャンスだと――。

第167回
長らく「有事のドル買い」と言われた世界の通貨体制が、大きく変容している。足もとでは「有事のドル売り」が起きているのだ。その背景には、世界的な穀物・資源の高騰がある。もはやドルの“金本位制復帰”しかないのか?

第166回
原油や穀物の価格が急上昇し、世界経済への影響が懸念されている。この状況は、産出国の「資源囲い込み」に世界的な政情不安が拍車をかけたとする定説だけでは、説明がつかない。背景には世界的な「パラダイムシフト」がある。

第165回
アラブ諸国の政治不安は、原油をはじめとする資源価格の高騰を招いている。タイミングが悪いことに、足もとでは欧州のソブリンリスクも顕在化している。世界の金融市場には、信用収縮の悪夢が再来するかもしれない。

第164回
エジプトのムバラク政権を崩壊させた市民革命の熱は、方々に飛び火している。奇しくもそれは、「間接民主主義」の限界を露呈した。今後、次世代技術を使った21世紀型の「直接民主主義」は、世界に根付いていくだろうか?

第163回
グローバル競争が激化し、戦略的な企業再編の重要性が増すなか、日本ではまだ欧米的なM&Aに抵抗感を持つ企業が多い。今回新日鉄・住金の合併話は、そんな日本の産業界に新たな意識を芽生えさせる可能性がある。

第162回
相次ぐアラブ諸国の政変が飛び火し、エジプトではムバラク政権に対する大規模なデモが起きている。新・新興国として重視される同地域の不安定化は、世界経済の行方に想像以上の衝撃をもたらす可能性が高い。

第161回
新生GMが“復活”をアピールしている。新興市場戦略が効を奏して、2010年の新車販売台数は世界首位のトヨタに肉薄する勢いだ。日本メーカーを脅かす「自動車戦国時代」が、新興市場を中心に再び幕を開けようとしている。

第160回
経済財政担当大臣として、菅政権へのサプライズ入閣を果たした与謝野馨氏に、民主党内外から批判が集まっている。与謝野氏が胸に秘める「政治家の美学」は、「鞍替え批判」を吹き飛ばし、日本再生への布石を打つことができるだろうか?

第159回
児童養護施設の子どもたちへ匿名でランドセルなどの寄付を行なう「タイガーマスク運動」が、全国で盛り上がっている。この社会現象の背景には、単なる慈善心や自己満足に留まらない、現代人の心理が見え隠れする。

第158回
日本企業にとって“グローバル化”は、もはや避けて通れない道だ。しかし、英語の社内公用語化や留学生の採用などがますます進めば、日本の若者の雇用機会が減少する可能性もある。このトレンドに、日本はどう対処すべきか?

第157回
米国経済の失速や欧州のソブリン・リスクなど、世界経済はいまだにリーマンショックの呪縛から抜け切れていない。2011年、正念場を迎えた世界経済に「復活のキーワード」はあるのか? 徹底検証してみよう。

第156回
菅総理は、法人税の実効税率を5%引き下げることを決定した。税負担が減れば、日本企業が雇用や投資を拡大するため、日本経済にとって追い風になると目されている。しかし、結果的に国民の暮らし向きはよくなるだろうか?

第155回
ウィキリークス騒動は、国家の極秘情報さえ白日の下に晒すインターネットの脅威を、改めて世に知らしめた。しかし、これは序の口に過ぎない。核の代わりに情報が使われる「21世紀型サイバー戦争」が、現実のものになろうとしている。

第154回
政策運営に行き詰まっている菅内閣の支持率が、世論調査で危険水域に突入した。とはいえ、そもそも民主党に政権を与えたのは有権者である。また他党や第三党に政権を委ねたところで、根本的な問題は解決するのだろうか。

第153回
北朝鮮が韓国領を砲撃する暴挙に出た。経済的にこれほど窮している国が、なぜ常識を逸脱した行動に出られるのか? その背景には、「軍事バランスの十字路」で絶妙なバランスを保つ“金王朝”の思惑がある。

第152回
米国が進める大規模な量的緩和策に対して、国内外から厳しい批判が噴出している。すでに、世界経済を失速させるインフレの兆候が顕著になっており、追い込まれたFRBの舵取りに世界経済の命運がかかっている状況だ。
