真壁昭夫
第139回
日本はこの4-6月期、ドル換算のGDPでついに中国に抜かれてしまった。かつて「ジャパン・アズ・ナンバー1」と呼ばれた日本の国際的地位は、米国、中国の後塵を拝し、さらに続落していく可能性がある。

第138回
ドルに対する円の急伸は、もはや看過できないレッドゾーンに入った。欧米に加えて中国経済も減速するようだと、年末年始にかけて、円は1ドル=79円75銭の史上最高値を更新する可能性が高い。

第137回
当局の規制により、中国で不動産市場の伸びが急速に鈍化している。これを「不動産バブル崩壊の始まり」と見る向きも多い。果たして、それは本当か? 巷説の「裏」をリサーチしてみよう。

第136回
欧州の金融機関を対象にした健全性審査(ストレステスト)の結果に、金融市場は拍子抜けした。しかし、この玉虫色の審査結果は、「嵐の前の静けさ」に過ぎないことを心得ておくべきだ。

第135回
「iPhone4」の不具合騒動では、アップルのスティーブ・ジョブズCEOの責任を問う声も少なくなかった。今回の騒動を機に、改めて注目を浴びるカリスマ経営者ジョブズ氏の光と影を分析しよう。

第134回
参院選で大敗した民主党は、苦しい政権運営を余儀なくされるだろう。今後政府の経済政策は、野党の顔色をうかがう中身の薄いものになる可能性が高い。企業はもう、政治に頼って発展することを考えないほうがよい。

第133回
欧米のバブル後始末に加えて、世界経済を牽引していた中国も不動バブル抑制に動き出した。両方の不透明要因が重なり合うと、世界経済の先行きに黄色信号が灯ることになる。

第132回
中国に進出する日系企業は、労働争議の増加による賃上げの検討や、市場開拓を睨んだ現地人のトップ起用を進めている。その背景には、「ルイスの転換点」をはじめとする経済構造の変化がある。

第131回
6月下旬、中国政府が発表した「人民元レートの弾力化」は、市場の期待に本格的に応える内容ではなかった。これだけ圧力が増しているにもかかわらず、中国が大胆な切り上げに踏み切れない背景には、無理からぬ経済事情がある。

第130回
富士通と東芝が、携帯電話事業の統合を発表した。それはあたかも、ガラパゴス化からの脱却が急務となっている日本の携帯市場に、「大再編時代」が到来することを暗示しているようだ。

第129回
ギリシャに続くハンガリーの信用不安の影響により、ユーロの信任が著しく低下している。もともと構造的な欠落を抱えたユーロは、近い将来消滅に向かう可能性さえある。為替・金融政策において、EUがとるべき道とは?

第128回
ここにきて、インド経済が劇的な復活を見せている。1-3月期のGDP伸び率は8.6%と、中国に引けを取らない勢いだ。自動車販売台数でも直近で中国を抜いている。絶好調のインド経済に、死角はないのだろうか?

第127回
米アップル社の多機能携帯端末「iPad」が、いよいよ上陸した。IT分野で欧米企業に対して「周回遅れ」になった日本企業にとっては、「Windows 95」以来の黒船となりそうだ。彼らはなぜアップルに勝てないのか?

第126回
2010年3月期の決算発表では、業績の「V字回復」を果たす企業が続出した。日本はいよいよ不況から抜け打すメドが立ったのか? しかし、手放しには喜べない不安要因が、まだまだたくさんある。

第125回
ギリシャ・ショックで大混乱に陥った世界の金融市場は、現在落ち着きを取り戻しつつある。だが、油断は禁物だ。欧州主要国やIMFが行なった緊急措置は、根本的な問題の解決につながっていない。

第124回
次世代の有力家電製品「3Dテレビ」の覇者を占う頂上決戦が始まった。ここにきて、日本企業が薄型テレビへの大投資を計画しているのだ。果たして、韓国勢に牛耳られた市場でシェアを奪い返せるのか?

第123回
米国のSEC(米国証券取引委員会)が、サブプライム関連の金融派生商品であるCDO(債務担保証券)の販売に関連して、ゴールドマン・サックスを訴追した。金融業界の激震は、「100年に一度の危機」の清算につながるのだろううか?

第122回
ポータルサイト大手「ライブドア」が、韓国インターネット企業のNHNに売却されることになった。これは、隆盛を誇った日本のIT企業が、かつてのエネルギーを失ったことを象徴している。日本のベンチャースピリットは復活するのか?

第121回
経済指標の好転や株価の復調に伴い、米国経済の「本格回復説」が1年ぶりの盛り上がりを見せている。だが、依然楽観視できない要素は多い。浮かんでは消える「米国復活」の真偽を、改めて探ってみよう。

第120回
デフレによる安売り圧力に悩む日本企業に、再び本格化しつつある資源価格の高騰が追い討ちをかけている。企業が「デフレとインフレの板挟み」という前代未聞の苦境を生き延びる術はあるのか?
