相川俊英
第19回
議員自らが改革に立ちあがり、住民の負託に応えようと必死になっている議会がある。福島県会津若松市議会だ。全国から議会視察に訪れる人達が絶えず、2009年度は1253人にのぼったという。

第18回
住民と議会が、限りある税金を地域のために有効活用しようと自ら論じ、協議を重ねる。そんな地方自治のあるべき姿を、長野県佐久市に見出すことができる。公共事業の進め方を問い直す画期的な出来事があったのだ。

第17回
「市民参加の市政」を看板に掲げる秋葉・広島市長が、箱根駅伝でタスキをつなぐ大事さを感じたとして、突如、4選不出馬を表明。動画投稿サイトに退任の弁を流し、世間を驚かせた。鶴の一声で始まった五輪招致構想もこれで頓挫か。次走者に渡されるタスキは、はっきり言って、ボロボロだ。

第16回
河村名古屋市長の辞任により、愛知県知事選は名古屋市長選と市議会解散を問う住民投票のトリプル決戦になる予定だ。大義なき辞任は行政のトップとして問題ありだが、有権者が1票の重みをこれほど実感できる地域は、広い日本の中でもそうはないのではないか。

第15回
まるで筋書きのない大河ドラマを見ているようだ。名古屋市で展開中の「庶民革命」のことだ。市選挙管理委員会の厳格化された再審査で11万人分を超す署名が「無効」とされ、不成立に終わったとみられた市議会解散の直接請求(リコール)が、大逆転を果たした。

第128回
46万を超えた名古屋市議会リコールの署名集め。選管の審査で無効とされた署名が続出し、法定数に今一歩及ばず、失敗かと思われたが、異議申し出により逆転成立の可能性も出てきた。

第14回
宮崎県知事就任後わずか4年で「県知事としての限界を感じた」として、他への転身を模索する東国原氏。国の仕組みを変えるには“中央”に出ないといけないと実感したのかもしれないが、果たして県知事というポジションの限界なのか。

第13回
国策として推進された「平成の大合併」は結局、地方に何をもたらしたか。地方分権の受け皿作りと行財政改革が目的として掲げられたが、実態は「住民負担は高い方へ、行政サービスは低い方に合わせる」ことに終わっているのではないか。都市計画税の課税拡大問題から検証した。

第12回
平成の大合併は、市町村ごとの現行制度の時限的適用(5年間)を認めた合併特例をきっかけに、2005~2006年頃に大きく進展した。多くの自治体でその特例の猶予期限切れは目前だ。その日が来れば、住民にとって思いもしなかった事態が次々と生じる。たとえば、特定市のこんな事例だ。

第11回
46万超の署名が集まり、成立は確実と見られていた名古屋市議会リコールの行方が一転、分からなくなってきた。市選管が、署名再審査と審査延長を決定したためだ。この物言いは果たして公平中立なものなのか?

第10回
河村市長主導の名古屋市議会リコール運動は当初、無謀な試みと嘲笑された。だが、フタを開けてみれば、大量の署名が集まり、リコール成立は確実。既成勢力は市長の行動を二元代表制の否定だと批判するが、住民の多くはむしろ二元代表制の“再起動”を求めているのではないか。

第9回
阿久根市で4カ月ぶりに議会が招集され、市長がこの間行った専決処分が審議される。議会は不承認との結論を下すと見られるが、地方自治法では不承認後にどうするかの規定が存在しない。分かりやすく言えば、首長の「やり得」が許される仕組みとなっているのだ。

第8回
名古屋市と阿久根市でリコール署名運動が始まる。同じリコールでも、両市の中身はまったく違うが、二つのリコールは問うているのは、「二元代表制」下における地方自治のあるべき姿だ。

第7回
地方議会の実態を憂い、議会改革を叫ぶ声が各地で沸き上がっている。だが、現在の議論は議員定数と報酬の削減に偏り過ぎている感がある。特に定数削減は強力な首長が登場した場合、「民主的な独裁」への道をも開きかねない。

第6回
橋下徹知事が旗揚げした「大阪維新の会」が勢力を拡大している。議員の「落選したくない」という心理を巧みに突いたものだ。参集した議員の本音が会の大義に賛同したものでないとすれば、「維新」の名が泣いている。

第5回
阿久根市・竹原市長の行動が一段とエスカレートしている。6月定例会を未だ招集せず、専決処分を乱発している。果たして臨時議会が招集されるかどうか。日本の民主主義の行方を左右する大問題である。

第4回
宮崎県で発生した家畜の伝染病・口蹄疫は、瞬く間に拡大した。初動体制の遅れが災いしたが、原因はそれだけではない。現地に入り、本当の原因に迫る。

第3回
町長リコール騒動に揺れる福岡県添田町で、ある疑惑が浮上している。町民がリコール運動に立ちあがったものの、リコール阻止を狙うビラが全戸にまかれる事態となったことはすでに伝えたが、宛て名に通常は使わない戸籍上の漢字が使われるなど、不自然な点があるという。

第2回
10期39年にわたって町長を務め、全国的にも有名な大物町長が贈賄で起訴されたが、町議会の不信任案は不成立。町民がリコール運動に立ちあがったものの、リコール阻止を狙うビラが全戸にまかれるなど大騒ぎになっている。

第1回
名古屋市議会では河村市長が提案した議員報酬半減、減税提案が再び否決された。これを受けて、市長派市民は議会リコールに向けて準備を進めている。この難事業への取り組みには、市長のしたたかな思惑が透けて見える。
