早川幸子
第42回
自民党が国政に返り咲き、またもや経済界から噴き出してきたのが医療・介護、環境、農業といった分野への規制緩和要求だ。プラスイメージが語られることが多い規制緩和だが、いいことばかりなのかは大いなる疑問だ。

第41回
介護保険に加入が義務付けられているのは40歳以上の人。原則的に利用できるのは65歳以上で介護が必要な人なので、身近に高齢者がいないとどのように使うのかなかなか想像ができないのではないだろうか。今回は介護保険の利用の手順を確認した上で、使いこなし方を考えてみたい。

第40回
同じような介護サービスを利用し、年齢や家族構成、世帯年収も同じなのに、ある人の1ヵ月の介護費用は、別の人より8万4200円も高くなるケースがある。このような差が出ているのだろうか。その謎を解くキーワードが、住民票の「世帯分離」だ。

第39回
高齢になってからの病気やケガは、医療費と介護費が同時期に必要になることもあるため、その費用について心配している人も多いようだ。しかし、健康保険にも介護保険にも、自己負担額が一定額を超えると還付を受けられる制度がある。

第38回
「健康保険の自己負担割合は、1割から2割、3割と引き上げられてきました。今後も4割、5割になることは否定できないとボクは思っています。だから、民間の医療保険がますます重要な時代になってきます」この発言の主は、民間の生命保険を販売している代理店の職員だ。

第37回
大病院での食道がん手術後、経過が思わしくなく、カテーテルなどの管だらけになってしまったAさん。「退院はまだ先だろう」と思った矢先、担当医にビックリすることを言われたのだ。「Aさん、退院していいですよ」

第36回
9月21日、厚生労働省の分局である関東信越厚生局が発表した行政処分に、医療界に動揺が走った。茨城県・阿見町にある東京医科大学茨城医療センターが、保険医療機関としての指定を取り消され、健康保険が使えなくなってしまったのだ。

第35回
「ジェネリックを使ってみませんか?」「飲み残したお薬はありませんか?」最近、調剤薬局で薬剤師からこのように言われたことはないだろうか。実は、今年4月に行われた医療費の改定で、こうした働きかけが調剤薬局の報酬に影響を与えることになったのだ。

第34回
「健康保険は、死生観などに合わせて必要だと思う人だけ、任意で加入すればいい」。一見、もっともな言い分にも思えるが、果たしてそうした考えで、この社会はうまく成り立っていくのだろうか。

第33回
保険財政を理由に、健康保険適用のルールに経済的な視点を取り入れようという動きが出ている。難病などの医薬品などは議論の対象にはしないと言われているが、難病に指定されていなくても、患者数が少なく、治療方法の研究が進まない病気はたくさんあり、線引きは難しい。

第32回
誰もが平等に医療を受けられる「国民皆保険」制度は、日本が世界に誇れる素晴らしい制度だ。それを崩壊に導く可能性のある法案が、国民がオリンピックに浮かれている間に、どさくさに紛れて採決されようとしている。

第31回
4月13日、厚生労働省の社会・援護局から1通の通知が出された。タイトルは「生活保護の医療扶助における後発医薬品に関する取り扱いについて」で、生活保護受給者にジェネリック医薬品の使用を促すための具体的な取り組みが記載されている。

第30回
生活保護の不正受給が問題になっているが、保護費全体に占める割合は0.4%程度だ。一方で「医療扶助」と呼ばれる医療費は、2010年度の生活保護費の総額3兆3296億円のうち、47%の1兆5701億円を占めている。

第29回
現行の社会保険制度では、会社員や公務員の夫の収入で生活している妻は、本人の年収が130万円未満までは保険料の負担なしで健康保険や国民年金に加入できることになっている。では、なぜ被扶養者の認定基準は130万円未満なのだろうか。

第28回
友人に勧められて、昨年9月に出版された「アンアンのセックスできれいになれた?」(朝日新聞出版)を遅ればせながら読んでみた。「今の若い女の子の考えは、これほどまでに社会に抑圧されているのか」と少々ビックリしてしまった。

第27回
消費税増税法案が注目を集めているが、「社会保障・税の一体改革」では、医療の財源についてもいくつかの見直し案が出されており、中には国民の健康格差を拡大する恐れのあるものも含まれる。そのひとつが70~74歳の前期高齢者の窓口負担の引き上げだ。

第26回
〈健保組合、保険料率上げ 高齢者医療負担重く〉4月11日、日経の朝刊1面にこんな見出しが飾った。大企業の従業員が加入する健康保険では、高齢者医療への支援金を支払うために健康保険料を引き上げる組合が増えており、その負担によって企業収益や家計が圧迫されるというのが記事の内容だ。

第25回
薬の処方にかかる技術料は、受診した場所により2つの報酬体系がある。ジェネリック医薬品を使って薬代を抑えても、実際の医療費が先発医薬品を使っている人とほとんど差が出ないというケースもあるのだ。詳しく検証してみよう。

第24回
長期療養や大きな病気をして医療費が高額になった場合の窓口負担を抑えられるものがある。それが「限度額適用認定証」だ。2007年4月に導入され入院費に限って適用されてきたが、この4月からは通院治療でも使用が認められることになった。

第23回
病気やケガで入院したときに備えて医療保険に入っている人は多い。中でもここ数年「終身型」の医療保険の人気が高い。しかし来年度の医療費の改定内容を見ると、こうした医療保険に入っていても、給付金を受け取る機会はどんどん減っていくのではないかと感じている。
