早川幸子
第79回
民間の医療保険に加入し、病気やケガで入院、手術をしたら、保険会社はすぐにお金を振り込んでもらえるのだろうか。残念ながら、そうでもない。保険会社は、加入者がいつ、どこで入院や手術をしたかまでは把握できないので、契約者みずからが保険会社に対して請求しなければならない。

第78回
11島からなる長崎県五島市はうち7島が無医村で、薬局・薬店も存在しない。そこで市では僻地医療を円滑に行うために工夫を凝らしているが、そのひとつが小離島の住民を対象とした「おくすり説明会」というユニークな取り組みだ。

第77回
「おくすり手帳」は患者とさまざまな医療機関との媒介として、万一の事故を防ぐ重要なアイテムだ。だが、その重要性を理解せず、たんに点数稼ぎのために手帳を出しているのではないかと疑いたくなる薬局もある。x

第76回
4月に行われた医療費の改定から、はや3ヵ月。その間、本コラムの「4月から医療費が変わる! おくすり手帳は持つべきか、持たざるべきか?」という記事が、ツイッターなどのSNSで拡散され、予期せぬ出来事が起きた。

第75回
いつもの調剤薬局でいつもの薬を処方してもらい、1530円を支払っていた山田ハナコさん。ある日別の薬局に行ってみたところ、同じ処方せんで支払いは1700円だった。なぜ自己負担額に170円の差が出たのだろうか。

第74回
医療費の節約に一役買ってくれるのがジェネリック医薬品だが、いまだに「安かろう、悪かろう」という間違ったイメージから敬遠している人もいるようだ。ジェネリック医薬品を正しく理解して、家計の負担を抑える方法を薬剤師の知恵とともに紹介する。

第73回
4月23日に行われた規制改革会議後の記者会見で、会議側が提案している選択療養制度(仮称)をめぐって、珍問答が交わされた。記者からの質問に答えたのは、規制改革会議の議長で住友商事相談役の岡素之氏だ。

第72回
消費税率の引き上げから1ヵ月が経過した。医療費は消費税の非課税取り引きのひとつになっているが、今年4月の診療報酬改定では、消費税率の引き上げを考慮していくつかの項目が値上げされている。

第71回
かねてから懸案事項だった70~74歳の人の医療費の窓口負担割合が、この4月から2割に引き上げられた。しかし、未だ本則通りの運用ではない。窓口負担はどのような経緯で引き上げられたのか、そして、どう変わったのか。改めて確認しておこう。

第70回
3月27日に規制改革会議が発表した「選択療養制度(仮称)」が実現すると、医師と患者が納得すれば民間療法でも何でも「選択療養」として認められ、混合診療禁止の原則が骨抜きになってしまう可能性がある。

第69回
東日本大震災の被災地では医療費を免除する特別措置が取られてきた。その後おおむね医療費の無料化は打ち切られたが、生活再建のめどが立たない人も多いため、ここにきて医療費の免除措置を復活させる県も出てきた。

第68回
「おくすり手帳」は、医療機関で処方された薬の情報を記録し、服用履歴を管理するために作られた手のひらサイズの手帳だ。4月からは記入が不要であれば20円安くなるが、薬の服用歴やアレルギー情報などを薬剤師に伝えるツールでもあることも理解しておきたい。

第67回
先日、A医師が開業しているクリニックに、B生命保険の調査員が面談にやってきて、こんなことを尋ねられた。「先生のクリニックで診察を受けていた患者のCさんから、給付金の請求があったのですが、告知義務違反が疑われるんです。初診日はいつでしたか?」

第66回
Aさん夫婦には、現在、小学校6年と3年の女の子がいる。長女が今年4月に中学生になるのに合わせて、神奈川県横浜市にマンションを購入。昨年12月に、東京都千代田区から引っ越してきた。区役所で転居手続きをして驚いたのが、子どもの医療費助成制度の違いだ。

第65回
定期的にクリニックに通って診察を受けているAさんには、最近どうも解せないことがある。これまでに4回受診したが、明細書に書かれた「初・再診料」の項目には1回目は270点、2回目は121点、3回目は69点、4回目は122点とばらつきがあるのだ。

第64回
今国会で強行採決されたのは特定秘密保護法だけではない。大資本を優遇し、庶民の切り捨てと見られる法律が数多く成立したが、医療や介護分野でも健康の自己責任が追及される「社会保障改革のプログラム法」が、12月5日の夜に参議院本会議で可決されている。

第63回
TPP交渉の雲行きが怪しくなっている。日本は農産品5項目の関税維持を死守できなければ政権の存亡にもかかわりかねないため、アメリカの要求に一歩も譲らない構えだ。そこで農業などを守る代わりに、バーターとして差し出される可能性があるのが医療分野だ。

第62回
筆者は健康保険空洞化の危険性を指摘してきたが、「TPPに参加すれば、混合診療が全面解禁され、国民皆保険が崩壊する」という最悪の事態を煽る報道には、いささかの疑念を持っている。TPPが発効すると、本当に混合診療は全面解禁されてしまうのか。

第61回
難病対策はこれまで根拠法がなく予算措置もあいまいだったが、「社会保障制度改革国民会議」で対策推進が明示され、9月から厚労省でも審議が再開された。だが、見直し案で提示された医療費助成は、難病患者にとっては厳しいものとなった。

第60回
公的な年金制度に備わっているのは老後の保障だけではない。加入者が死亡した場合に残された家族に給付される「遺族年金」、病気やケガをして心身に障害が残った場合に給付される「障害年金」も備わっている。これらは、若い世代にとっても重要な保障だ。
