「ジェネリックを使ってみませんか?」「飲み残したお薬はありませんか?」
このところ、調剤薬局で薬剤師からこのような言葉を掛けられることはないだろうか。
薬剤師が熱心に声掛けをするのは訳がある。実は、今年4月に行われた医療費の改定で、ジェネリックの情報を患者に伝えたり、飲み残した薬を確認したりすることが調剤薬局の報酬に影響を与えることになったのだ。
諸外国に比べて大幅に低い
日本のジェネリックの普及率
「ジェネリック(generic)」は、英語で「一般的な」とか「総称的な」という意味で、医薬品の世界では特許期間が終了した新薬と同じ有効成分で作られた後発品のことを指す。メーカー独自の商品名ではなく、その薬のもとになる有効成分の一般名で処方されるので、ジェネリック医薬品と呼ばれる。
すでに公表された成分で商品を作るので研究開発にお金がかからず、安全性や有効性を確認するための臨床試験も省略できるので、先発品よりも割安な価格で販売されている。
諸外国では積極的にジェネリック医薬品が使われており、2009年の医薬品全体に占める後発品のシェアは、アメリカが72%、イギリスが65%、ドイツが63%となっている。
一方、日本ではジェネリック医薬品を使用することへの抵抗感が強く、2005年9月時点での使用割合は医薬品全体の16.8%にとどまっていた。そこで、2007年10月、厚生労働省は「後発医薬品の安心使用促進アクションプログラム」を策定し、5年後までにジェネリック医薬品のシェアを数量ベースで30%まで引き上げることを目標に、診療報酬を変更したり、広報活動を行ったりしてきた。