早川幸子
第159回
間もなく新年度が始まる。今年も多くの新社会人が誕生し、さまざまな職場で活躍することになるだろう。就職すると、仕事のスキルやビジネスマナーが必要になるが、同時に自分の身を守るために、そして社会人の教養のひとつとして身につけてほしいのが、健康保険や厚生年金保険などの社会保険についての基礎知識だ。

第158回
日本で国民皆保険が実質的に実現したのは、法的な実現から遅れること13年後の1974年(昭和49年)4月だった。その陰の立役者が「国民健康保険直営診療施設」、略して「国保直診」だ。今回は、国保直診の設立の経緯を追ってみたい。

第157回
2月15日から確定申告の受け付けがスタートしたが、今年から「医療費控除」の手続きが簡略化され、提出書類作りの手間が省けて以前より申告しやすくなった。どのように改正されたのか、変更点を確認してみよう。

第156回
1961年(昭和36年)4月1日。法的には、この日をもって日本は「国民皆保険」を実現したことになっている。だが、「いつでも、どこでも、だれでも」という基本理念を実現するには、保険制度を作って国民全員を加入させれば、「ハイ!皆保険のできあがり」というわけにはいかない。

第155回
国民健康保険が今年、市区町村から都道府県に移管される理由
今年4月、国民健康保険を都道府県に移管する発足以来の大改革が行われるが、そもそもなぜ国保は市区町村で運営されてきたのだろうか。国保の運営主体が市区町村になった理由を探り、今に生かす知恵を過去から学ぶ。

第154回
医療・介護の世界で「惑星直列」と呼ばれる2018年がスタートした。今年は、診療報酬と介護報酬の同時改定のほか、新しい医療計画や介護保険事業計画のスタートが重なっている。このように重要施策を見直すタイミングが揃うことは、めったにあることではない。

第153回
2016年度の医療費の改定で、紹介状なしで大病院を受診した患者から特別料金を徴収することが義務づけられた。これは医療機関の機能分化を進めるために導入された制度だが、来年4月から特別料金徴収の対象となる大病院が拡大されそうなのだ。

第152回
12月、パート主婦を多く抱える職場では、人員確保に頭を悩ませている人事担当者もいるのではないだろうか。毎年この時期になると、パートで働く女性たちは、税金や社会保険料の「壁」を超えないように働き方を調整し始めるからだ。

第151回
厚労省の審議会で審議されている「ジェネリック医薬品」。普及させるため、先発品との差額負担が検討されている。これには反対の声が多く実現可能性は低いが、気になるのは「貧乏人はジェネリックを使え」という考え方がいまだにまん延していることだ。

第150回
医療機関の機能分化を進めるため、来年度の医療費改定で「かかりつけ医以外の受診に対する定額負担」が議題の一つになっている。だがその前に、2016年度改定で導入された「紹介状なしで大病院にかかった場合の定額負担の義務化」は効果を上げているのか。

第149回
健康保険法や国民健康保険法では、医療給付の対象を病気、ケガ、出産、死亡と限定しており、美容目的で健康保険を使うことはできない。ところが、本コラムの第147回でも紹介したように、「ヒルドイド(成分名:ヘパリン類似物質)」という外用薬の美容目的使用が急増し問題になっている。

第148回
多くの人が病院や診療所、調剤薬局の窓口では、請求された自己負担分をそのまま支払っているはずだが、薬局での支払いは工夫しだいで節約できるものがけっこうある。薬代を節約するための5つのポイントを紹介しよう。

第147回
ここ数年、ある塗り薬を化粧クリーム代わりにするために、美容目的で皮膚科を受診する女性たちが後を絶たないという。問題の薬は、「ヒルドイド」という皮膚に塗る外用薬だ。

第146回
病院の薬をもらうには、薬代のほかに、医師の診療や薬剤師の技術料もかかる。健康保険を使えば、かかった費用の一部を支払うだけでいいものの、場合によっては市販薬を購入したほうが医療費が安くなるケースもある。

第145回
この8月から、70歳以上の人の医療費の負担が見直された。公的年金などの収入が一定額以上ある高齢者は、健康保険の「高額療養費」の自己負担限度額が、段階的に引き上げられることになったのだ。その見直し内容を確認しておこう。

第144回
大手調剤薬局チェーンの日本調剤が、「『かかりつけ薬剤師』効果で薬剤費年間1億円削減へ」と銘打ったニュースリリースを発表したが、ここで示されているのは、残薬調整による医薬品の削減額のみだ。服薬指導のコストも含めたらどうなるのか、公表された数字をもとに検証してみよう。

第143回
日本国内では、旅先で全額自己負担した医療費は、健康保険に「療養費」の申請をすれば、後日払い戻しが受けられる。では、海外旅行先で現地の病院やクリニックを受診した場合はどうなるのだろうか。

第142回
もうすぐ子どもたちにとって、待ちに待った夏休みが始まる。海や山でのレジャーを計画している家族も多いと思うが、気をつけたいのが旅先での病気やケガだ。とくに健康保険証を忘れると、少々厄介なことになる。

第141回
「お宝保険」とは、バブル期に契約した予定利率の高い保険のこと。A子さんのお宝保険も晴れて今年満期を迎え、500万円の満期金が下りる。保険会社は、「この満期金を使って、新たな保険に加入しませんか」と、A子さんに提案してきたが…。

「病気やケガをして働けなくなったらどうしよう?」そんな不安から、民間の医療保険や就業不能保険に加入している人もいるだろうが、本当に必要か考える必要がある。なぜなら、会社員の健康保険には「傷病手当金」という休業中の所得補償が用意されているからだ。
