早川幸子
患者が病院等で支払う自己負担に上限を設ける「高額療養費」には、さらに「世帯合算」というオプションもある。家族の医療費を合算して申請できる制度で、病気やケガをした家族が複数いるなどで、世帯の医療費が高額になった場合でも家計の負担を抑えられるようにしたものだ。

第138回
患者が1ヵ月に支払う医療費の自己負担額に上限を設けた「高額療養費」制度だが、病院等の窓口では、自己負担割合を支払ったあとで、健康保険組合に申請して差額を払い戻してもらう手続きが必要だ。だが、「限度額適用認定証」があれば、最初から高額療養費の限度額を支払えばよくなる。

貧困に陥った原因を探っていくと、最初は些細なことがきっかけだったりする。そのひとつが、「病気やケガで医療費がかさんだ」というものだ。急性心筋梗塞で倒れて入院したAさんの例で見てみよう。

第136回
はじめて社会に出た新卒社員は、新しい生活への期待とともに戸惑いも感じていることだろう。なかには、早々と「社会人になったのだから、民間の保険にも入ったほうがよいのでは?」と思っている人もいるのではないだろうか。

介護保険の「高額介護サービス費」の限度額(自己負担額)が引き上げられる。負担増を不安に思っている人もいるだろうが、いわゆる「介護サービス」にカテゴライズされているもののなかには、必ずしも介護の専門職でなくても対応できるものもある。

第134回
脱サラして自営業になると、会社員時代にはあった障害厚生年金の上乗せがなくなってしまう。だが、退職前にちょっと病院にかかっておくだけで、自営業になっても厚生年金から上乗せの保障を受けられる可能性があるのだ。

第133回
法律では「病院」と「診療所」を区別しており、同じような治療でも、どこで受けたかによって医療費に差が出ることもある。「病院」と「診療所」は、どのような基準で分けられているのだろうか。

第132回
子どもの医療費はすべての地方自治体が助成を行っているものの、対象年齢や助成方法はまちまちだ。財政力によるところが大きいが国からの補助金の仕組みが助成の足かせになってきた面もある。この部分が見直されることになった。

第131回
2017年分の確定申告から、「セルフメディケーション税制」という医療費控除の特例が始まる。国民に市販薬の使用を促し、国の医療費を削減することを目的に導入された制度で、ふだんから病気予防や健康増進に努める人の税金を優遇しようというものだ。

第130回
2017年度の政府予算案が22日に閣議決定され、70歳以上の人の高額療養費が、来年8月から低所得層を除いて限度額が引き上げられることになった。いったい、いくらで決着したのだろうか。

第129回
公正取引委員会が発表した「介護分野に関する調査報告書」によって「混合介護」が話題となっているが、実は護保険の制度創設当初から認められているものの、さほど広がっていない。報告書が指摘するように「規制」が最大の問題なのだろうか。

第128回
このところ“混合介護”という言葉を耳にするようになったが、そもそも介護保険は発足当初から、保険内サービスと保険外サービスを同時に使う混合介護が認められている。それなのに、なぜ今、公取委は「混合介護の弾力化」といった言葉を使って、規制を強調するのか。

第127回
日本の会社員は、協会けんぽか勤務先独自の健康保険組合に加入している。だが、会社を辞めた後にどの健康保険を選ぶかによって、保険料や保障内容は少なからず変わってくる。今回は、会社員が退職した後に損をしないための賢い健康保険の加入法を考えてみよう。

第126回
高額な医療費は「高額療養費」制度で後から払い戻してもらえるが、一時的にでも数十万円のお金を用意するのはかなりの負担になる。そんなときに活用したいのが、「高額療養費貸付制度」だ。

第125回
医療費の負担増が相次ぐなか、最後まで守られてきたのが高齢世帯だが、厚労省の審議会では負担増容認の声が多数を占めるようになってきおり、なかでも高額療養費の上限額の見直しが検討されている。

第124回
10月から短時間労働者への社会保険の適用が拡大され、「パート主婦の130万円の壁」が見直されるが、なぜこうした施策は長年見送られてきたのか。社会保険の適用の壁の歴史を振り返りながら、あるべき社会保障の姿を考えてみたい。

第123回
10月から、パート主婦や派遣社員などの短時間労働者に対する社会保険の適用が拡大され、「130万円の壁」が見直されることになった。この制度変更によって、個人にはどのような影響が出るのか。

第122回
一般的な高額療養費の計算式は【8万100円+(かかった医療費-26万7000円)×1%】だが、なぜ「8万100円」が基準なのか。なぜ、医療費から26万7000円を差し引くのか。自己負担限度額の計算方法の根拠について考えてみよう。

第121回
がんの治療が長引いて働けなくなったときは、「障害年金」が利用できる可能性がある。障害年金の給付対象は、視覚障害や聴覚障害、手足の切断などによる肢体障害がイメージされがちだが、実は精神疾患や内臓の疾患も対象となっている。

第120回
最近のがん治療は通院治療が増えており、そのため以前よりかかるようになったのが交通費。病院を上手に選べば、無駄な通院費用をかけなくても適切ながん治療は受けられる。そのキーワードが「がん診療連携拠点病院」だ。
