
山崎 元
第219回
飛び込みの若手証券マンが持ち出した商品はなんと終身ガン保険。狙いは保険ではなく節税にあった。みなが節税に頭を使うということは税制に抜け穴があるということだ。節税が意味をなさないシンプルで、公平な税体系の構築が望まれる。

第213回
投資家のブログとして有名な「梅屋敷商店街のランダムウォーカー」を見ていたら、運用の「出口戦略」についての議論が盛り上がっていた。

第218回
君子豹変して消費税引き上げに突っ走る野田首相や、答弁に窮して批判を浴びる田中防衛相の姿からは、官僚が大臣にあれこれ振り付けしている様が見え見えだ。もはや政治主導など無理だ。この際、政策シンクタンク設立の必要性を訴えたい。

第212回
ある投資家向けのイベントで、登壇者の1人が「皆さん、将来の為替レートがどうなるのかが重要です。よく考えてください」と力説した。そう言われると、将来の生活にとって、為替レートが重要な気はする。

第217回
東日本大震災および東京電力福島第1原子力発電所の事故対策に関連する政府の多数の会議で、議事録が作成されていないことが発覚し、国民の不信が蔓延している。あまりにもズサンな対応だ。これを機に、行政を可視化するスキームを提唱したい。

第211回
個人投資家が特に株式でおカネを運用する場合、国内株ならTOPIX、外国株ならMSCI-KOKUSAIなどの株価指数と同じリターンの実現を目指すインデックスファンドに投資するのが、無難で合理的だ。

第216回
東京大学が、5年後の実施を目処に、現在春(4月上旬)の入学時期を、世界の一流大学と同様に秋に移行したいとする考えを発表した。もしそうなった場合、学生は「ギャップ・イヤー」をどうすべきか。また企業の採用活動は、どう変わるべきか。

第210回
チャールズ・エリスの『敗者のゲーム』は原著・翻訳共に何度も改訂出版されている名著だ。「金融危機を超えて」という副題が付く原著第5版の翻訳を読んでみた。資本市場、特に株式市場に対する見方はエリスと筆者には大きな相違点がある。

第215回
危機を煽って売りたいメディアがよく特集するのが、「国債の暴落」だ。そもそも、日本国債が暴落する可能性などあるのだろうか。だとしたら、どう備えるべきか。先日、週刊誌の取材を受けた際のやりとりを引き合いに出しながら、考えてみる。

第209回
おカネのいいところは、用途を後から自由に決められることだ。一般個人がおカネの運用を考える場合に「誤り」ないし「損」のきっかけになりやすい考え方の一つは、この長所を忘れて将来の使用目的別に運用対象を考えることだ。

第214回
最近、投資家向けのイベントや会合が盛況だという。運用商品のマーケティングが高度化していることもあり、投資家同士が集まって生の情報交換をすることの意義は大きい。投資家に人気のある会合の裏側は、どうなっているのか。

第213回
今週、財務省で来年度予算の説明を聞いてきた。この会合に出席しながら、筆者は、どことなく似た雰囲気を漂わせる彼らを有効にマネージするとすれば、どうしなければならないだろうかと考えていた。政治家に求められる能力とはどんなものか。

第208回
オリンパスの巨額損失隠蔽事件は2011年の大きな経済ニュースの一つだが、投資家の立場でこの事件の教訓をまとめてみたい。

第212回
北朝鮮の金正日総書記が死去した。金総書記の死後、北朝鮮はどこへ向かうのか。そして、その行方は経済・金融にどんな影響を与えるのだろうか。「これから起こり得る事態」をいくつか想定し、北朝鮮情勢に関するシナリオを論じてみたい。

第207回
時間、自由、お金。いずれも大切なものだ。読者はどの順番で挙げたいと思われるだろうか。お金が一番、という人は少ないかもしれないが、これら三者は、お金を介して緩やかに交換可能だ。

第211回
東証マザーズに株式会社リブセンスが上場した。村上太一社長は25歳というから、驚きだ。実は、学生起業にはそれなりの合理性がある。今の若者が起業して新たなチャンスを掴むことは十分できるし、中高年のビジネスマンだって例外ではない。

第206回
仕組み債とは、デリバティブの条件を加えてもともとの債券のキャッシュフローを変化させた債券だ。たとえば、高格付けの金融機関が発行した債券のキャッシュフローに、組成者となる証券会社が仕組んだデリバティブ条件を付加した債券を、販売者が販売する。

第210回
失言を続ける一川防衛大臣は、到底大臣にふさわしくない人物だ。しかし、今回の「失言騒動」で本当に問うべきは、失言そのものを問題化し、政治家の資質を国会での議論で暴こうとしない「政治ショー」が続いているという、ばかばかしさだ。

第205回
ウォール街で証券会社や運用会社を渡り歩き引退した元金融マンとフィナンシャルアドバイザー(FA)が出会い、親友となった。ふたりは個人投資家向けの投資ガイドを共著で書くことになった――。

第209回
ソフトバンクと中日の熱戦が繰り広げられた日本シリーズは、極上の緊張感があった。何と言っても光ったのは、今期限りとなる落合監督の采配だ。自著『采配』では、その戦略が語られている。ビジネスマンにとっても、大いに参考になる本だ。
