
鎌 富志治
第16回
ある日、“会津の血”が騒ぎ出して、蕎麦屋修行に走る。師匠から得たものを神楽坂で大きく育て上げました。その蕎麦屋仕事に、10月、ミシュラン一つ星が届けられる。蕎楽亭のオーラはドラマチックでした。

第15回
亭主は蕎麦打ち、女将は料理。二人で分け合って、二人以上の美味しさを創る。学んで、探求して生み出す季節の清々しい蕎麦料理が「銀杏」にはありました。

第14回
イタリアでの車の設計を手始めに、帰国して音響デザインを。そしてエコに目覚めて、蕎麦屋にたどり着きました。自然を愛し、ドイツの黒い森に思いをはせる「黒森庵」からは、エコロジカルなオーラが降り注ぎます。

第13回
小さい頃の、「月待ちの滝」を世に出したいという夢が、緑の蕎麦をも創りあげました。その滝水にかかるオゾンを浴びに、遠くから人は惹き寄せられます。奥久慈の蕎麦屋には緑色のオーラが降り注いでいます。

第12回
“手打ちの時代”の足音に誘われた人がいました。東村山の川辺にひっそりと佇む「土家」の亭主です。農家に入り、窯を開いて、千客を迎える蕎麦懐石を準備しました。

第11回
江戸の昔を語り部のように再現する蕎麦屋があります。ミシュラン一つ星「翁(おきな)」です。その輝きは白色の更科蕎麦の上にきらりと光っています。女将が語り、蕎麦職人が旬の味わいを創り上げます。

第10回
何かに導びかれるように、蕎麦屋へと手を引かれた人がいました。割烹調理を極めた男が“蕎麦一枚”の魅力に勝てなかったのです。包丁技が切れ味鋭く、蕎麦料理を深く豊かにします。

第9回
逸話の数だけ、人は大きくなるのでしょうか。誰もがうらやむ作家に愛され、天ぷら名人の教えを受け、「松翁」にはその仕事に惚れる上客が集まりました。江戸前のオーラは粋なものです。

第8回
トレンド雑誌の1ページを切り取ってきたような、そんな店が豪徳寺の商店街のなかほどにあります。蕎麦屋というよりはカフェや花屋さんに遊びに来たような気持ちにさえなります。

第7回
料理の達人が始めた蕎麦料理は、繁華街の“オアシス”を作りました。昼はミシェランの腕が打ち上げる蕎麦コース。夜はミシュラン一つ星の懐石料理。「ひろ作」のオーラは目には眩しいかもしれません。
![[特別編]新橋 割烹「ひろ作」――ミシュランの星を飾る料理人は、蕎麦にも星を飾ります](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/3/f/240wm/img_3ffa1dbbc097d1c2ed29681ac818255e14203.jpg)
第6回
上方に他店の亭主たちが味わいにくる蕎麦屋があります。大阪の名店から独立した「からに」です。蕎麦の深みを追う、高い目標を課した者が発する、そのオーラを浴びてみませんか。

第5回
抜きん出たものをひとつ持つことで、店の名を高く上げる。山科の奥深くに、秘められた技術を持つ蕎麦屋があります。春秋山荘「蕎麦 高月」の名は、さざ波のように人から人へと伝わりだしました。

第4回
帰る場所を「無」にすれば、自らの在り方を見失なわない。その証に「無庵」と名をつけて20年余。蕎麦を通して、パフォーマンスを表現してきた亭主がいます。

第3回
生まれた土地を愛し、店主自ら畑に入る蕎麦屋が丹沢の緑深い山間にあります。現代のスピードに反比例するようなゆったりとした時間が流れています。自然は、大らかなオーラを「くりはら」に与えたようです。

第2回
誰もが客入りの心配をした場所に店を構えた「大川や」。しかしいまでは、次々と客が吸い寄せられていきます。手打ち蕎麦の美味しさだけでなく、酒と共に楽しむ華麗な蕎麦料理に、人はすっかり酔わされてしまうのです。

第1回
「3回迷って、やっとたどり着いた」という客が絶えない「眠庵」(ねむりあん)。路地裏にあるこの店の名物は、『2種盛り蕎麦』。香りや味わいの違う微妙な食べ比べが、蕎麦ファンの心を掴んでいったのです。
