2016.6.22
世界的に広がる史上最低金利の構造要因とは何か
マイナス金利が止まらず、世界的に金利が未曾有の水準になっている。こうした状況の背景としては、底流を流れる状況にも目を向ける必要がある。それは、世界全体のバランスシート調整による構造要因である。
岡三証券グローバル・リサーチ・センター理事長
たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、みずほ証券市場調査本部統括部長、グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長などを経て19年、みずほ総合研究所副理事長。20年に退職後、現職に。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。
2016.6.22
マイナス金利が止まらず、世界的に金利が未曾有の水準になっている。こうした状況の背景としては、底流を流れる状況にも目を向ける必要がある。それは、世界全体のバランスシート調整による構造要因である。
2016.5.25
最近、伊勢志摩サミットを展望し、財政出動への期待が高まっている。そのなかでは、ドイツの反対をいかに抑えるかがカギを握っている。伊勢志摩サミットで日本はドイツを説得できるかも大きな課題だ。
2016.4.20
円高不安の日本。米国は強い意志をもってドル安に向けた調整を行っている。アベノミクス開始以来の中期的な円安トレンドの転換は、まさしく「達磨さんが転んだ」の鬼の役目を果たす米国サイドの影響によるものだ。日本にとって試練の1年となる。
2016.3.23
3月後半といえば、金融機関や企業が次年度の計画を策定する時期。今年はマイナス金利下、つまり「金利水没」という、前例のない局面だ。こうした状況下での資産運用は、「LED戦略」で行くしかない。
2016.2.24
マイナス金利導入後、株安・円高と日銀の思惑とは逆に振れた要因には、米国経済の減速不安がある。世界での牽引役が不在のなか、マイナス金利政策は投資先消滅、通貨戦争と信用収縮のスパイラル化という危険性を持つ。
2016.1.27
これまで筆者は、新興国の減速と先進国の回復という2016年の基本シナリオを抱いてきた。だがここにきて新たなリスクシナリオ“世界連鎖不況”の不安が浮上した。危機回避のために世界はどう対処すべきか。そして日本はどう動くのか。
2015.12.16
世界の金利が「水没」するなか、利上げで米国に「運用難民」が押し寄せることになるだろう。一方、米国経済が減速することは許されない。今回の利上げは、誰もが体験したこともない遅いペースになり、金利上昇も限られるのではないか。
2015.11.18
リーマンショックに端を発した世界経済のバランスシート調整は、第3局面に入った。すなわち新興国の調整局面である。今後、先進国は緩やかな改善を見込むが新興国は下振れリスクを内包する。特に高リスクの4ヵ国に留意が必要だ。
2015.10.21
日本は1990年代のバブル崩壊後、バランスシート調整に20年かかった。2007年以降、欧米で同様のことが生じ、調整に10年単位を要している。今度は中国がこれに直面しているのではないか。だとすれば全治には5年近くはかかるだろう。
2015.9.16
今回の市場の調整は、金融市場だけでなく中国の実体経済不安も含むために、その深刻度は重い。新興国から先進国への牽引役の交代という「端境期」で、今後も市場変動をある程度覚悟する必要がある。シートベルト着用サインの点灯だ。
2015.8.26
足元の市場は大揺れだが、米国利上げは近づいている。市場参加者が利上げにおびえるのは過去の体験によるが、1970年より前と後で利上げに対する市場の反応は大きく異なる。現状は、大半の市場参加者が未体験の70年以前に類似する。
2015.7.29
日本で1980年代以降の利上げ局面は3回しかなく、それぞれ債券市場のショックが前触れだった。今年から来年に向けた債券市場の重要なテーマは、市場が先取りして生じ得る変動の予兆を捉えることにある。
2015.7.1
日銀の大量買い入れにより、国債の「官製相場」が続くなか、財政規律への不安は残存するものの、日本国債の暴落不安を生じさせる「悪い金利上昇」は生じにくくなった。今後の課題は、不可避的に生じ得る「良い金利上昇」にいかに向き合うかだ。
2015.6.17
5月決定会合における日銀の景気判断の上方修正、6月10日の為替に対する黒田総裁の発言などを勘案すると、今後日銀が「量的」な追加緩和を行う可能性は低いと見られる。その代わりに日銀が向かうのは、「質的」な追加緩和だと筆者は見ている。
2015.6.3
自国通貨安が経常収支を改善させ、自国通貨高が経常収支のマイナス要因であるとすれば、今日の環境は、経常黒字国の黒字をますます拡大させ、経常赤字をますます拡大させる不均衡拡大である。その状況をつくり出したのが、各国の「金利水没」までも…
2015.5.13
毎年6月に「日本再興戦略」が更新され、安倍政権の成長戦略が描き直される。ただ、当初抱いていた期待感の大きさと比べると、かなり色褪せてしまった感は否めない。改革を加速する突破口である「国家戦略特区」の運用状況について振り返りたい。
2015.4.22
4月に日経平均株価が、15年ぶりに一時的ながら2万円を回復したことが話題になった。現在の株価は「バブル状態」にあるのだろうか。それとも、まだ回復の途上にあるのか。世界における日本株の相対的な立ち位置を考えながら、株価の水準を考察する。
2015.4.1
今日の異例な世界経済の状況を象徴する2大現象は、原油価格暴落と世界の金利「水没」という状況だ。先進国の需給ギャップは2、足元に至るまで大幅なマイナスを抱えている。各国は財政拡大を含め、各国が独自に需要をつくり上げることはできるか。
2015.3.4
日本経済は、2014年10~12月期のGDPが3四半期ぶりのプラス成長になり、2015年にかけて予想以上に見通しが改善しやすい状況だ。しかし世界経済は足踏み状態で、米国の回復に過度に依存する状況が続く。世界が頼りにする米国の「不確実性」とは何か。
2015.1.28
スイス中銀のマイナス金利策、ECBの量的緩和策が実施され、日本を含む世界中に「金利水没マップ」が広がっている。今後も水没地域が拡大する可能性は高いが、それは債券市場の死を意味する。金融機関は、新たな運用機会を創出できるのか。
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