
鎌田和彦
第6回・最終回
「逆張り」という言葉がありますが、転職が当たり前の時代だからこそ、私は転職をしないことが価値になると見ています。なぜ、私が転職業に携わってきた者にも関わらず、そのようなことを主張するのか。今回は、最後にその理由を述べたいと思います。

第5回
2010年度の民間の職業紹介を通じた就職件数は11.1%増の43万人と3年ぶりに増加し、過去最高となりました。しかし、こうした転職市場の活況は「浅い転職」を増加させ、キャリア崩壊を招きかねません。ですから、そんな今こそ「慎重な転職」が求められています。

第4回
就職氷河期世代にとって転職は人生を変える一大チャンスだったと言えます。しかし転職神話に踊らされ、キャリア価値を損ねた人も少なくありません。そうなった原因の1つは、その自身が転職によって自らの能力が変わると誤解していたことです。

第3回
2000年代前半から本格化し始めた人材の流動化。転職こそキャリアアップの手段という幻想が生まれ、多くの人が転職に踏み切りました。しかし残念ながら、実際は転職を重ねてキャリア価値をどんどん減少させていく人が少なくありませんでした。

第2回
昔であれば、転職に際して希望する企業1社1社に履歴書を手書きし、郵送する必要がありました。しかし、インターネットによってその作業は一挙に“楽チン”になり、ひいては「就職」を以前よりも“手軽”なものにしてしまったのです。

第1回
2000年代半ば、転職がブームと化していた当時、会社をあっさりと辞め、転職する若者が後を絶ちませんでした。しかし、彼らの多くはいま、転職によって「キャリア・アップ」ではなく、「キャリア・クライシス」に直面しています。
