山口 博
第39回
iPhoneは電話か、はたまたIT機器か――。そんなくだらない論争で大バトルとなり、導入を担当する部署が決まらずに、導入が遅れた企業がある。狂言のお題にもなりそうな事例だが、本人たちは大まじめ。そんな企業が後を絶たないのはなぜか、考えてみた。

第38回
解散騒動の後、SMAPは元の鞘に戻ったようにみえるが、SMAP解散後の新しい姿を見たいと思うのは私だけだろうか。ビジネスの世界でも転職を嫌うのはもちろん、最近ではせっかく新天地に行ったのに出戻り人事を推奨する風潮すらある。新たなチャレンジを加速させてこそ、強い組織をつくれるに違いないのだが—。

第37回
離婚届を“卒論”と表現するような言い繕いは、企業においても蔓延している。この言い繕いが、責任所在の転嫁や曖昧化、ミスの偽装や曖昧化や無視をもたらす。ましてや、あるべきでないことを美化する風習の蔓延は、組織の衰退をもたらす。

第36回
残業過多の問題は、健康被害の観点から、労働者擁護の立場で語られることがほとんどだ。もちろんブラック企業の過長労働問題は、経営者側に問題がある場合が多い。しかし、ごく普通の企業の残業過多の問題の多くは、社員のマインド自体が残業を常態化させていることに原因がある。

第35回
採用市場では昨今、企業はこぞって、優秀な人材を採用しようと躍起になっている。しかし、内外企業で積極採用してきた経験をふまえると、優秀な人材を厳選採用しようとしている会社が成功した事例をみたことがない。

第34回
社員の能力開発プログラムへの対応の仕方は、各企業でまちまちである。業績が伸びていない会社はたいてい、能力開発部門に仕事を丸投げし、トップは監督者として見守るだけ。しかし、業績が伸びている会社のトップはしばしば、自ら参加者としてプログラムに出席する。

第33回
かつてはどこでも見かけた頑固上司が、年々少なくなっている。パワハラと紙一重の境界に棲む彼らだが、コーチングスキルを駆使し始めた途端、とてつもないパワーを発揮する。頑固上司の保護こそが、わが国経済再生の鍵を握っているのではないか。

第32回
「大学文系不要論」の騒動が収束しない。その理由は、大学文系の要否の問題というよりは、当事者の事後対応のまずさや、安易性、無責任性、誠実性の欠如にあるのではないだろうか。これらは、政治家や行政職員のみならず、ビジネスパーソンにまで浸透している、深刻な病理だ。

第31回
ブラック企業の手口は多岐にわたる。今回は、彼らの主要な10の手口をご紹介しつつ、どこが問題なのか、詳しく解説をする。

第30回
大手採用選考支援企業が提供しているインターンや採用のエントリーシートは、実に59もの資格が掲載されていて、学生に取得資格を入力させるものになっている。無意味なシートを漫然と利用し続ければ、本当に欲しい学生を取りこぼす危険性があることに気づいてほしい。

第29回
大学新卒採用の選考プロセスが佳境である。その中で、ほぼ100%の企業が実施している会社説明会を短縮し、その場で、学生に対して能力開発演習をしている会社が、応募者数や応募者のレベルを飛躍的に高めている。

第28回
半年や1年で転職し、転職回数が数回を超える人を、人事の世界ではジョブホッパーと呼ぶ。中途採用の現場ではジョブホッパーは忌み嫌われるが、本当に彼らを採用すべきではないのか?私は、全く逆の考えを持ち、ジョブホッパーを採用してきた。

第27回
カーナビ普及率が高まるに連れ、目的地ではなく、その周辺で、タクシーから降ろされるケースが続出している。ナビが指定した場所に着きましたから降りてくださいというわけだ。こうした機械的対応はタクシー業界のみならず、企業の人事部にも蔓延している病理だ。

第26回
企業や大学で能力開発プログラムを提供していると、シニア世代から、ゆとり世代に対するコミュニケーションの仕方がわからないという相談を受けることが多い。今回は、ゆとり世代を戦力化する処方箋について紹介してみたい。

第25回
依頼すれば「できません」と拒絶し、理由を問うと「(別の)○○さんが言っています」と伝言するだけの、拒絶型・伝言型の人事部がはびこっている。こうした拒絶・伝言症候群に陥ると、パフォーマンスが加速度的に低下する。その予兆の捉え方と、対応策を紹介したい。

第24回
「残業代ゼロ法案」が審議されている。しかし、現行法においても、深夜残業手当を支払わないことを労基署が是認したケースがある。それは、法の主旨にのっとり、正当な手続きを経た方法だ。

第23回
話法や事例の演習形式のトレーニングが企業内研修として定着しない。難解、複雑なトレーニングや指導の開発や実施が不可欠だという人事部門や教育部門の思い込みが、定着を妨げているのだ。今回は、その対策を考えてみたい。

第22回
お役所仕事的なプロセス至上主義が、国や公共機関から、企業の人事部門にも伝播している。サービス提供という本来の目的意識が希薄となり、制度や手順の運用・徹底のみにエネルギーが費やされる、いわば制度疲労だ。解決のためには、国において選挙を行うがごとく、人事部門においても人の入れ替えをするしかない。

第21回
採用担当者が一所懸命進めている中途採用のプロセスが、候補者からはあきれられている状況が、多くの会社で生じている。じつは、採用手法の巧拙は、企業の成長度を測るバロメーターなのだ。

第20回
企業内の集合研修は、このように運営しなければならないと受け継がれている鉄則がある。しかし、この鉄則がビジネス伸展の阻害要因になっていることにお気づきだろうか。実は、参加者側のビジネス部門は既に気づいている。知らぬは人事のみばかり、なのである。
