「人事部を変えてほしい」
カルチャーチェンジの2大課題

 M&Aや組織再編のサポートをクライアント企業に提供させていただいていると、人事部をはじめとするバックオフィスのカルチャーを変えたいという要望に接するケースが多い。カルチャーチェンジの課題は、次の2つのタイプに大別されるように思う。

 ひとつは、拒絶型の人事部を変えるという課題である。ビジネス部門が依頼をすると、「それは、できません」という答えが即座に返ってくるカルチャーを変えられないかという類だ。もう1つは、伝言型の人事部を変えるという課題である。「社長が言っています」、「営業部長が言っています」、「労基署が言っています」という伝言をするだけの人事部を変えられないかという要望である。いずれも、よくあるケースではないだろうか。

「拒絶型」の例は、①労基署や社会保険事務所など公的機関が認めないのでできないと言うケース、②規程に記載がないからできないと言うケース、③社長や人事部長など決定権者や上位者が認めないのでできないというケース、④過去に前例がないのでできないというケース、⑤自分の担当業務ではないからできないと言うケース――に分類できる。

人事部をはじめとするバックオフィスは、何を依頼しても拒絶したり、誰かのせいにして改革をイヤがる傾向にあることが多い

「拒絶型」も、「伝言型」も、問題の根源は同じではないだろうか。すなわち、人事部の担当者自身に自分の考えがないことに端を発する。

 あるいは、人事部のヘッドに明確な方針がないのかもしれない。そして、担当者が、ユーザー主体の考え方をしていない。その結果、ユーザーの期待にかかわらず、外部や内部の見解に盲従し、拒絶したり、伝言したりするリアクションとなる。

 法規範に従うことは言うまでもなく必要だが、「拒絶型」はその思いが強すぎるあまり、法規制されていないことまで、されていると思い込んでいる。実は規制されていないことであるにもかかわらず、そして、各社の裁量や人事部の裁量に任されている領域にもかかわらず、ソリューションを打ち立てられない状況に陥る。

 一方、「伝言型」は柔軟でありたいと思うがあまり、さまざまな関係者から右と言われれば右、左と言われれば左と思ったり、それを伝言し続けたりしてしまう。