社会人や学生向けの演習型の能力開発プログラムを実施していると、大学生から20代後半の、いわゆる「ゆとり世代」と、30代以降とで、演習への参画の状況が大きく異なることがわかってきた。
ゆとり世代と、シニア世代とでは、組織における言動に、どのような隔たりがあるのだろうか。あくまで、能力開発プログラムへの参画状況を通しての観察結果と演習結果をふまえての見解であるが、特徴を整理してみた。
ゆとり世代の3つの特徴
「おっとり」「安定」「受動的」
私には、ゆとり世代には、以下の3つの特徴がみられるように思える。まずは、参加意欲や全般的な言動については、ガツガツ型ではなく、おっとり型であり、積極的というよりは消極的であると言える。
次に、モチベーションの変動に影響を受けやすい要素を考えてみると、目標達成ができたり地位や権限が得られたりするということよりも、安全や安定が維持されるかということや、公私のバランスがとりやすいということに、影響を受けやすいことがわかっている。
さらに、合意形成にあたっては、議論を戦わせて合意形成する能動性は低く、受動的である。ゆとり世代のストレス耐性は、シニア世代に比較して低いことが、演習の状況からも見受けられる。
これらの特徴は、どちらが良いか、悪いかという観点ではなく、各々の世代が持つ特徴として、捉えるべきだろう。ゆとり世代が、ガツガツ型ではなくおっとり型であることは、意欲がかき立てられるまで時間がかかるが、一度かき立てられたら、そのレベルを長く維持しやすいという特徴があると言える。
意欲がかき立てられる要因は、目標達成や地位や権限を得ることによってではなく、安全な安定した状況や、公私のバランスが保てる特徴があるということだ。また、能動性が高くないが、調和型なので、他者の巻き込みに関する配慮のレベルは高いという特徴がある。