
室伏謙一
希望の党は共同代表選挙により、新代表には玉木雄一郎衆院議員が選出された。一方、突然の小池氏代表辞任の発表には驚嘆の声や怒りの声も上がった。希望の党は「小池の党」から「玉木の党」に脱皮できるのだろうか。

11月から開会した第195回国会は、選挙前とは野党の構成が大きく変わった。衆参で野党の構成のあり方が違うという前代未聞の状態となっており、野党の状態がこのままというのはありえない。野党の再編は必至だろう。

第48回衆議院議員選挙、与党の勝利に終わったとされているが、総括すれば「自民党は勝利した」と言うより、「希望の党に勝ちを与えてもらった」と言った方がいいだろう。

今回の衆院選は、「争点」が見えにくい。さらに「保守」「リベラル」「しがらみ」といった言葉が乱用されて本質が見えにくい。本来の「保守」「リベラル」とは何か。その上で、政策面での課題について考えてみた。

わが国では二大政党制が理想とされ、選挙が近づく度に複数の政党が合流して新党を作る動きが見られる。しかし、その実態は「切り貼り政党」であり、いずれも短命に終わっている。二大政党にこだわる必要はあるのか。

今回の衆院選は混乱続きだ。特に野党側は、民進党の分裂に加え、小池都知事が代表で話題となった希望の党でさえも迷走し始めたイメージだ。このままでは結局、自民有利の選挙が展開しそうである。

9月25日、安倍総理大臣は衆議院を解散した。巷では大義なき解散だ、解散権の濫用だ、しかも「森友・加計問題」での追求を恐れて逃げを打ったのだといった批判の声が鳴り止まない。果たして、本当の解散の理由は何か。

新体制の役員人事が決定してスタートした前原・民進党。「旧民主系にあらずんば所属議員にあらず」といわんばかりの風潮が蔓延し、旧維新系議員などへの風当たりには厳しいものがあるという。
